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石巻地方のアスリート、新天地へ(上) パワーリフティング、陸上

石巻市内でデッドリフトの練習に励む佐藤選手
常盤木学園高の50メートル走路で練習に打ち込む佐藤選手=2021年8月

 スポーツの各種競技で石巻の名をアピールしてきた中学、高校の選手たちが新天地に旅立つ。さらなる飛躍を誓い、今後の活躍が期待される選手を紹介する。

パワーリフティング

<佐藤陽太郎選手(18) 東北学院高 → 東北学院大>

 柔道からパワーリフティングに転向して約7カ月で全国の舞台に立ち、3位入賞を果たしたのが女川町出身で東北学院高3年の佐藤陽太郎選手(18)。4月からは東北学院大文学部で学びながら競技を続ける。

 パワーリフティングを始めたのは昨年7月。デビュー戦となった県大会で最年少優勝し、2月の第27回ジャパンクラシック選手権では、ジュニアの部120キロ級に出場し3種目の合計で560キロを記録した。

 女川町女川小3年の時に町内のスポ少で柔道を始めた。5段の父誠一さん(63)の影響や、体格が小柄だったため強くなりたいという思いがあった。東北学院中・高では、中学2年の時に県新人大会60キロ級で優勝、昨年6月の県高校総合体育大会100キロ級では準優勝と、県内トップレベルに君臨した。

 柔道のための筋力トレーニングを通し、パワーリフティングの種目や器具にはなじみがあった。利府町にある専門のジムの存在も競技を始める後押しになった。3種目の合計重量を競うというルールに「明確で分かりやすい。頑張った分、記録が伸びて達成感を感じられる」と魅力を語る。

 162センチの身長に対し、中学時代60キロ台だった体重は今では105キロに増えた。柔道で鍛えた足腰の強さも生かされている。「まずは600キロ越えを目指し、大会経験も積んでいきたい」と今後を見据える。

 ウエートリフティングと混同されやすい競技の知名度を高め、裾野を広げたいとも考える。「五輪種目になる可能性もある競技。パワーリフティングを始める人が増えるような影響を与えられる選手になりたい」

 

陸上 

<佐藤美里選手(18) 常盤木学園高 → 中央大>

 昨年のU20日本選手権と全国高校総体(インターハイ)の陸上女子200メートルを制した石巻市出身で常盤木学園高3年の佐藤美里選手(18)が中央大(東京)へ進む。4年後の日本学生対校選手権(インカレ)優勝を目標に掲げ、大学生活のスタートを切る。

 高校へは自宅から通学していたため、親元を離れて暮らすのは初めて。佐藤さんは「生まれ育った石巻を離れることに不安はあるが、新しいことが始まるというわくわく感もある」とほほ笑む。

 石巻中で本格的に陸上を始めた。100、200メートルが専門で、レース後半の加速力が持ち味。高校では1600メートルリレーにも出場し、400メートルを走る経験が個人種目の成長にもつながった。

 昨年6月のU20日本選手権で200メートルを制し、8月のインターハイでも優勝。さらにインターハイでは100メートルで4位、1600メートルリレーは3位に入った。同校の学校対抗3位に大きく貢献し、成長を示した。

 中央大への進学を決めたのは、U20日本選手権の会場でスカウトされたのがきっかけ。監督から指導方針などを聞き、成長できると確信した。会場で仲間を応援するチームの雰囲気も明るく、好感を持った。

 目標は4年後のインカレ100メートルと200メートルの優勝。「1~3年生で力をつけ、4年生で全国優勝したい。後半の加速力を生かすため、スタートを強化していく」と意欲を燃やす。

 笑顔がトレードマークの佐藤選手。新たな舞台でさらなる飛躍を期す。

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