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新潟駅新バスターミナル、一般車両通れません 路線バスと緊急車両限定

新潟駅南口広場。右手のロータリーの奥に、駅直下バスターミナルの南口側の出入り口ができる。利用開始は2023年春ごろ=新潟市中央区

 約60年ぶりのリニューアルが進む新潟駅(新潟市中央区)。6月ごろには全ホームが高架化される。その後の工事を経て、2023年春ごろに駅1階を貫通するバスターミナルが開業するが、行き来できる車両は路線バスと緊急車両に限られる。新潟日報社(新潟市)の「もっとあなたに特別報道班」(モア特)宛てに「駅の下を自家用車が通れると思っていた」との声が届いた。モア特会員に受け止めを聞くと「一般車が通れた方がメリットがある」「公共交通のためには当然だ」などさまざまな反応があった。

南北分断を解消

 駅刷新は、新潟駅周辺整備事業の一環。鉄道高架化で、鉄路で分断された南北市街地の一体化を図ることが目的だ。新駅舎では、1階部分を南北に貫く形で“道路”ができる。ただ「広場扱いで、駅直下バスターミナルとなる」と市駅周辺整備事務所の今井利司所長。一般車両を通過させない理由について「混雑による利便性・安全性の低下を避けるため」などとする。

 駅直下に一般車両を通さないことに対し、中央区の60代自営業男性は「多額の税金を投入するのに、宝の持ち腐れではないか」と懸念する。東区の30代会社員も「今からでも遅くないので対応できないのか。これでは選ばれる都市にはなれない」と手厳しい。中央区の60代無職男性は「ラッシュアワーを除き、通行を認めるべきだ」と促す。

 理解を示す声もある。新発田市の50代農業男性は「一般車両とバスの動線を変えることで、円滑な運行につながる」と強調。中央区の10代学生も「東大通りは駅に向かうための道。通過するだけの車で、駅前が渋滞する方が嫌だ」とする。

駐車場求める声

 駅直下バスターミナルの広さは幅(東西)約50メートル、長さ(南北)約80メートル。両側はバス停や待合エリアとなる。車両が通過するスペースは実質片側1車線程度に限られる。東区の70代無職男性は「駅に行くのは人の送迎くらい。駅下に一般車両を通すより、広くて利用しやすい駐車場の整備をお願いしたい」と話す。

 一般車両の南北の行き来について市は、縦貫する幹線道路の整備を進める。だが新潟駅全線高架化や駅直下バスターミナル開業などと開通時期はずれている。一部凍結区間もある。

 中央区の40代女性は「一般車両は駅前の事故防止や混雑を避けるため、新設の幹線道路などに回る必要があると思う」と語る。一方で凍結区間については市の財政状況などに触れて「解除できたらいいと思うが、現状では難しいのではないか」と冷静にみていた。
(新潟日報提供)

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