石巻市震災遺構・門脇小で開館式 3日から一般公開 教訓伝える
石巻市は3月30日、東日本大震災の震災遺構門脇小の開館式を同市門脇町4丁目の現地で開いた。津波と火災の痕跡を唯一残すとされる校舎や被災当時の状況を伝える展示を通し、震災の教訓を来館者に訴えかける。3日から一般公開する。
市や国、県の関係者ら約60人が出席した。斎藤正美市長は「津波火災の恐ろしさを体感してもらい、自分と大切な人の命を守るために普段から考え、有事の際の避難行動につなげてほしい」とあいさつした。
遺構は新設した観察通路から焼け焦げた教室内などを見学する。特別教室棟と体育館は展示館に改修。児童や教職員の被災当時の対応や裏山への避難状況、市内全体の被害内容などを映像やパネルで紹介する。体育館には被災車両や仮設住宅などを展示する。
旧門脇小では在校児童と教職員らは無事だったが、下校した児童7人が犠牲になった。市はアンケートや公聴会での市民の意見を踏まえ2016年3月に遺構化を決定。約107メートルあった校舎の両脇を解体し、中央部約67メートルを保存した。
開館時間は午前9時~午後5時。月曜定休。毎月11日は開館する。入館料は大人600円、高校生300円、小・中学生200円。