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女川中旧校舎を音響機器会社が取得 東日本の物流拠点へ雇用増

音響機器販売会社の物流拠点となる女川中の旧校舎
鍵のレプリカを持つ須田町長(左)と中島会長

 学校施設の統合で使われなくなった女川町女川中の旧校舎や土地が、楽器や音響機器の輸入販売を手掛ける「サウンドハウス」(千葉県成田市)に売却され、3月25日に現地で引き渡し式があった。商品の物流拠点として建物をそのまま使用し、無料の音楽教室やイベントを通じて地域活性化も図る。同社は「女川を音楽の町にしたい」と意気込む。

 旧校舎は町中心部の通称「丸子山」に1967年に建てられた。町内の小中学校は東日本大震災後に5校を再編し女川小と女川中の2校となり、2020年8月に施設一体型の小中一貫教育学校として町役場近くの新校舎に移った。

 町は旧校舎や土地の活用策を探るため、民間からアイデアを募る「サウンディング型市場調査」を実施。サウンドハウスは物流拠点としての活用や音楽による地域活性化を提案し、公募を経て売却が決まった。

 約2万400平方メートルの敷地に、鉄筋コンリート4階の校舎(延べ床面積約5900平方メートル)のほか、体育館やプールがある。売却額は9669万円。

 東北や北海道、北陸への物流拠点「女川ロジスティクス・センター」として使い、コールセンターも置く。徐々に雇用を増やす考えで採用活動を始めている。町内に社宅用の土地も確保した。ゴールデンウイーク明けの稼働を目指す。

 引き渡し式には同社や町の関係者ら約30人が出席。須田善明町長が中島尚彦会長(64)に鍵のレプリカを手渡した。

 中島会長は東北に拠点を置くことを考えていた際、交流があった女川の人たちから旧校舎の話を聞いたという。「東北にあまりない音楽の会社をつくることで、地方の活性化に協力できると思った。女川に住む人たちに音楽を好きになってもらい、女川を音楽の町にしたい」と話した。

 須田町長は「今まで地域になかった職種で、若い世代に新しい道として夢を描いてもらえる。多くの若い人、音楽好きな人が女川で働き、日々頑張ってくれるのはすてきなことだ」と期待した。

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