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航空写真集「あの頃のふる里」が完結 7冊目は石巻市街地

7冊がそろった「あの頃のふる里」
出来上がった写真集を手にする芳村さん

 40年以上にわたって航空写真撮影に携わる仙台市太白区の芳村忠男さん(75)が東日本大震災前の石巻地方の景観をまとめた「思い出写真集 あの頃のふる里」が、3月末に刊行された7冊目で完結した。自身のキャリアの総括と、震災で失われた古里の姿をそこに住んでいた人たちに届けたいという思いを込めた。

 芳村さんは道路建設や開発事業のための航空写真を撮影する会社を営む。思い出写真集は震災10年を機に、撮りためた写真から編集した。「いつか形にしたいと思っていた。ようやくできた」と感慨深げだ。

 2021年9月に女川町の航空写真集2冊を第1弾として発刊。続いて昨年12月に石巻市旧牡鹿町、石巻市渡波~小竹~桃の浦~福貴浦~田代島、石巻市雄勝町の3冊を発売。今年3月には石巻市河北・北上地区、旧市内をメインにした石巻市街地の2冊ができた。

 いずれも20~30年前の写真が主体。各地区に立ち並ぶ家々をはじめ、学校や役所、養殖施設など、そこにあった「暮らし」を俯瞰(ふかん)し、思い返すことができる。

 7冊目の石巻市街地では、震災で大きな被害を受けた湊地区、門脇・南浜地区のかつての姿が写る。石ノ森萬画館がまだない中瀬には建造中の木造復元船サン・ファン・バウティスタ号が見える。震災前から現在までの蛇田地区の移り変わりも分かる。

 写真集はいずれもA4判でフルカラー。1冊1100円。ヤマト屋書店中里店、同あけぼの店、おかべ本屋イオン石巻東店などで取り扱っている。連絡先は航空写真社022(243)4320。

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