石巻圏・新百景>大島神社(石巻市住吉町1丁目)
<街の復興見守る新社殿>
新たな堤防が整備された北上川のほとりで、街と人々の暮らしを見守る。地元では古くから「住吉神社」として親しまれ、毎年1月のどんと祭は大勢の参拝客でにぎわう。
東日本大震災の津波が北上川をさかのぼり、神社周辺は甚大な被害を受けた。江戸時代中期に建てられたとされる社殿は周囲より高い場所にあり浸水を免れたが、復興事業で北上川に約4.5メートルの堤防が築かれるのに合わせ、敷地を同じ高さにかさ上げした。
社殿は解体し、一部の建材を継承して2020年6月、以前と同じ場所に新築。朱塗りの鳥居は21年3月に完成した。雄島を含む住吉公園など周辺はまだ整備が続く。
堤防は遊歩道を兼ね、散歩の途中で立ち寄る人もいる。桜谷隆宮司(70)は「地域の人たちの心のよりどころ。愛されるお社でありたい」と願う。