秋田銀行・新谷明弘頭取

記者会見する秋田銀行の新谷明弘頭取=12日、秋田銀行

 秋田銀行は12日、2022年3月期の決算を発表した。新谷明弘頭取の会見での主な発言は下記の通り。

 ―今決算の特徴は。

 単体で3期、連結で8期ぶりとなる減収増益だった。経常収益マイナスは有価証券の売買が要因。有価証券はどうしてもマーケットに合わせて売却するため、収益にぶれが出る。有価証券は欧米の金利上昇で評価損が出て、前倒しで売却した。評価損全てが悪いわけではないが、回復の見込みのない有価証券は積極的に売却し、収益がマイナスとなった。リスク回避だと評価しており、減収は大きな意味のある数字とは思っていない。

 重要なのはコア業務純益でこちらは5億円の増益。利益は経費の削減で出た。プロジェクトチームをつくり業務などの見直しを進めている。時間外勤務を大幅削減するなど、そうしたものの積み重ねが経費の削減につながった。

 ―与信関連費用はどうか。

 新型コロナウイルスの影響を受けている4業種(飲食、宿泊、サービス、娯楽)に対し、引当金を厚く見積もる方式を採用している。一般貸倒引当金は前期より1億円増え、6億円となった。これがなければ戻し入れが発生していただろう。

 コロナの影響は今後も続くだろう。2022年度も前年度と同程度、保守的に25億円程度の与信関連費用を見積もっている。コロナも2年が経過し、同じ業種でも売り上げを確保できているところと、そうでないところと差が出ている。

 当行は貸し出しに占める4業種の割合がそれほど多くない。与信費用が大きく増大するとも思えない。コロナ前の水準に戻すのは難しいが、融資先を中心にどう業態転換するか、売り上げをアップするかに注力して取り組んでいる。

 ロシアのウクライナ侵攻を背景としたエネルギー、穀物の流通価格の上昇が新たな課題になっている。原材料、エネルギーの価格高騰の影響を注視しなければならない。

 ―人口減、ゼロ金利が続く中、どう稼ぐか。

 洋上風力発電を含む、風力発電事業に積極的に取り組んでいる。出資で設立した株式会社「A―WIND ENERGY」と共同で行い、事業ノウハウを県内企業が取得できたと考えている。2030年を一つの目安にカーボンニュートラルに積極的に関わっていく。

 貸出金の低金利、有価証券もリスクが大きい。資金利益を増やす環境にはない。手数料収入は力を入れ、増やしていきたい。洋上風力発電事業はシンジケートローンのアレンジャー(幹事金融機関)としてコンサルティング業務を増やしていける要素がある。個人は投資信託、預かり資産の運用を増やし、手数料収入を増やしていく。

 ―日銀の金融緩和策の影響は。

 現状維持ということで、影響と言われても難しいが、米国を中心に金利が上昇し、海外の金利リスクが高まっている。有価証券の運用、特に外債、米国株の運用で慎重にリスク回避をやっていく。

 ―金融庁が金融機関の再編を促そうとしている。

 包括連携協定を結んだ岩手銀行とのアライアンス(連携)を強化していく。経営統合は戦略としてない。アライアンスは互いのアイデアを生み出す力を高める。親密に話し合い、情報共有することで気付きが出てくる。行員もそういう認識を強くしている。単独で生きていくためのノウハウにもつながる。5年間の計画で両行合わせて提携効果30億円以上という数字を出している。今後、どの部分をどのくらい増やすか、詰めていかねばならない。

 ―きらやか銀行(山形市)が公的資金注入の申請を検討している。

 国が制度の枠組みをつくり、経営判断としてそれを有効に活用されるということだろう。コメントする立場にない。

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