スイーツ自販機、拡大中　石巻市内に３カ所　手軽さ好評

　石巻市でスイーツの自販機が注目を集めている。市内で飲食業を営む浅野基さん（３２）が設置した。スイーツの自販機というユニークさや２４時間いつでも購入できる手軽さから、評判は上々。現在市内３カ所で稼働しており、仙台圏への進出も視野に入れる。

　「甘味処（かんみどころ）万石庵」と名付け、３月にＪＲ石巻駅前で本格稼働を始めた。札幌市発祥で全国的に人気が高まっている「ショートケーキ缶」が看板商品。透明なペットボトル容器に、石巻地方産のイチゴとムース、北海道産生クリーム、スポンジを断面が美しく見えるよう盛り付けている。ふたはアルミ製で缶詰のように開封する。

　冷蔵と冷凍タイプがあり、３３０ｃｃ缶は９００円、２５０ｃｃ缶は６５０円。写真映えする見た目で、若者やちょっとした手土産として購入する大人の女性も少なくないという。手応えを得て、４月に開北１丁目、５月にはのぞみ野１丁目にも設置した。

　浅野さんは、ＪＲ石巻駅そばのテイクアウト専門店「ナイスピクニックデイ」など市内で二つの飲食店を経営。新型コロナウイルス感染拡大で売り上げが落ち込む中、市場が拡大する自販機ビジネスに着目した。今は店を休業し、自販機とキッチンカーでのスイーツ販売に注力している。

　自販機ではショートケーキ缶のほか、ティラミス（５００～５５０円）、マカロン（２５０～３５０円）などが購入できる。ケーキ需要が落ち込む夏に向け、新商品も考案中だ。

　浅野さんは「新たな商品を取り入れながら、設置台数を増やしていきたい」と意気込む。