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海の担い手に!求む高校生 フィッシャーマン・ジャパンと石巻市、魅力発信

地元高校生に水産業の魅力を伝えるポスター
高校生の採用に向けたアドバイスなどが行われたセミナー

 地元水産業への就業を考える高校生を増やそうと、県内の若手漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、石巻市)と石巻市が協力して取り組んでいる。漁業や水産加工業の魅力をPRするポスターを作ったり、採用する水産関連会社向けのセミナーを開いたりと、担い手確保に力が入る。

<ポスター14種制作、校舎や列車に掲示>

 ポスターは、県外から移住してきた漁師や、水産会社に勤務する若手社員、石巻で生産されたカキの写真などを使用。水産業の今をPRする文章と「石巻の海で待ってる」のキャッチコピーを添え、担い手を求めるメッセージを高校生たちに伝える。

 大きさはB1判、B2判、B3判で計14種類あり、市内の高校全9校とJR仙石線、仙石東北ラインの車内に掲示している。キャンペーンは5月下旬に始まり、電車内の掲示は22日まで。

 ポスターのQRコードをスマートフォンで読み込むと、無料通信アプリLINE(ライン)につながり、FJのスタッフに就職相談ができたり、就業ガイダンスなどの情報提供を受けられる。

 FJの広報担当は「ポスターを目にすることで地元の水産業が持つポテンシャルを再認識し、働きたいと思うきっかけにしてほしい」と話している。

<水産会社担当者に採用の心構え学ぶ>

 5月30日には、市内の水産関連会社を対象とした「新卒高校生採用と若手人材育成セミナー」を同市魚町2丁目の石巻市総合水産振興センターで開いた。水産加工会社や魚市場の関係者約20人が参加。採用手順やスケジュールなどを確認し、有望な人材確保に向けた体制づくりを学んだ。

 FJ事務局の中村志郎さん(53)が「高校生は具体的な仕事内容や職場の雰囲気、働く環境を知りたがっている」と説明。「社員の一日の動きを記したパンフレットの作成や、やりがいを語っている動画を自社サイトに加えるなど、共感を抱きやすくすると興味を持ってもらえる」とアドバイスした。

 また、入社後にも長期的なサポートが必要と述べ「学生生活とのギャップなどで離職につながってしまうケースがある。若い世代はデジタルへの理解度が高いなど強みもあるので、企業側も『育てる心構え』を持ち、自然と入社できるようにしてほしい」と語った。

 高校生の採用を検討している水産加工会社「布施商店」社長の布施太一さん(38)は「これまでと同じようなやり方ではいけない。働き始めた後の話なども参考にしたい」と話した。

 セミナーは21日にも予定している。

高校生のみなさんに届けたい、石巻の水産業の魅力と可能性 - フィッシャーマン・ジャパン「TRITON PROJECT」

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