石巻市議会 教職員研修基金20年間未活用 市、元本崩し学力向上策に
石巻市議会6月定例会は17日、本会議を開いた。市は金利の低下で約20年間活用できていなかった教職員研修用の基金の元本を取り崩し、小中学校の学力向上策に充てる方針を示した。
基金は1979、80年に同市の山大産業(現山大)が寄付した1500万円が原資の「山大教職員等研修基金」。定期預金の利子を活用して85~2000年度に毎年度、教職員の海外研修を実施していたが、金利の低迷で01年度以降は見合わせていた。
市は元金の取り崩しを可能にし、海外に限定している研修先に国内も含める基金条例の一部改正案を定例会に提出した。教職員による学力向上の先進校視察と校長らの研修費用として年間150万円ほどの利用を見込む。
宍戸健悦教育長は「学力向上は喫緊の課題。毎年20校ほどが視察を実施し、市教委や他校とも成果を共有して施策に生かしたい」と説明した。
本会議では財産取得や工事請負契約の締結など9議案を原案通り可決、物価高騰の緊急対策事業費などを盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案など10議案を関連委員会に付託した。