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石巻圏域定住自立圏構想 協定変更を3市町可決 震災伝承、SDGsなど追加

 石巻、東松島両市と女川町が人口流出対策などに一体的に取り組む「石巻圏域定住自立圏構想」で、連携する政策を定めた協定の変更案が1日、石巻市議会で可決された。東日本大震災で凍結していた構想の協議は、今年1月に11年ぶりに再開。復興まちづくりの進展や新型コロナウイルス感染拡大といった社会情勢の変化を踏まえ、内容を見直した。

 構想では、石巻市が2010年2月に中心的な役割を担う「中心市」を宣言し、同10月に東松島市、女川町とそれぞれ協定を締結。具体的な事業をまとめた「共生ビジョン」の策定を進めていたが、最終案の決定直前に震災が発生した。

 変更案は「医療福祉」「産業振興」「地域公共交通」など14項目で、連携して取り組む内容とそれぞれが担う役割を示した。

 従来はなかった項目も追加した。被災地で加速する人口減少対策の「移住定住の推進」や震災の教訓を後世に伝える「震災伝承」、感染拡大で導入が進む「デジタル・トランスフォーメーション」、「SDGs(持続可能な開発目標)」などを加えた。

 項目ごとの具体的な内容も修正。石巻市が整備を目指す「陸上競技場の整備と利用促進」や、広域的な連携が必要な「ごみの減量化・再資源化の推進」「公共交通の課題解決」などを新たに盛り込んだ。

 石巻市政策企画課の担当者は「今後のまちづくりに向けて重要な政策ばかり。2市1町で連携して進め、持続可能な石巻圏域を実現したい」と語った。

 協定変更案は東松島市と女川町の両議会も既に可決した。3市町は近く協定を締結する方針。共生ビジョンは10月までに策定する予定で、民間や地域の関係者らによる懇談会を設置して検討する。策定すれば中心市に上限年8500万円、周辺市町は各1800万円の特別交付税配分といった財政支援を受けられる。

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