フレッシュマン奮闘>末永海産
それぞれの夢と希望、不安を胸にこの春、社会への第一歩を踏み出した若者たち。石巻地方で奮闘する各分野の新戦力を紹介する。(随時掲載)
■末永海産 沢山哀斗さん(18)
「先輩たちの手際の良さに驚いてばかりだが、同時に社会人として成長していることも実感する」。新鮮な海産物を素早く処理する加工場で充実した日々を過ごす。
石巻市中里出身。網地島の漁師だった祖父の影響で、小さい頃から海の仕事に憧れがあった。宮城水産高では「海産物を扱った食の仕事がしたい」と海洋総合科フードビジネス類型を選択し、サバやサンマなどの缶詰制作に打ち込んだ。
高校入学後、先輩から末永海産(石巻市塩富町)の名前や仕事内容を聞き、興味を持った。「大人になって苦手なことをするより、先にやっておくべきだ」と、社会人になる準備として接客のアルバイトにも挑戦。ためたお金を同社の商品購入に充てるなど、思いを募らせた。
春から加工場で業務用ワカメの計量、箱詰めなどを担当している。「売り物だからと丁寧になり過ぎて作業に時間をかけてしまう。周りと同じくらいの早さで動けるようにならないといけない」と課題を話す。「氷の入れ方、シールの貼り方などまねできることから始めて追い付きたい」と張り切る。
今後は取引先などへの出荷業務も加わるという。「自分のことだけでなく周囲のサポートもできる人になるのが当面の目標。海の食材のおいしさを多くの人に伝えたい」と目を輝かせる。