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健全経営を維持 2021年度決算・石巻商工信用組合、石巻信用金庫

21年度決算などを報告した石巻商工信組の総代会
22年度の事業方針などを説明した石巻信金の総代会

 石巻市を拠点とする石巻商工信用組合と石巻信用金庫の2021年度決算が出そろった。ともに新型コロナウイルス対策資金の融資に力を入れたほか、経営効率化などにも取り組み、純利益を計上。経営の健全性を示す自己資本比率は国内基準の4%を上回る高水準を維持した。

石巻商工信用組合

<自己資本比率、過去最高>

 石巻商工信組の純利益は前期比1100万円減の7800万円だった。経常利益は微増したが、法人税等調整額の税金増加により減益となった。当初計画の5000万円は上回った。6月20日に石巻市千石町の石巻グランドホテルで開いた総代会で示した。

 新型コロナ対応といった低金利融資による貸出金利回り低下などが影響し、本業のもうけを示すコア業務純益は前期比3300万円減の9600万円。経費削減や不良債権処理費用の減少により、経常利益は1億700万円と前年を46万円上回った。

 貸出金残高は14億円減の612億8400万円。新型コロナ対策の資金需要が一段落したことや、先行き不透明な経済環境への不安から顧客の債務圧縮意識が高まった。預金残高は自治体の震災復興関連預託金の大口払い出しがあり、80億円減の1104億7000万円。自己資本比率は2.19ポイント上昇の22.18%と過去最高だった。

 22年度は、顧客の事業継続や収益力改善へのコンサルティング機能を強化する。梶谷啓二理事長は「ポストコロナ時代を生き抜くための経営課題解決に全力を傾注していく」と話した。

 任期満了に伴う役員改選では、理事と監事計10人全員を再任した。

石巻信用金庫

<貸出金、初の800億円超え>

 石巻信金の純利益は4億6600万円で前期より4700万円増加した。貸出金利息や有価証券利息配当金の増加などが後押しした。6月28日に石巻市のぞみ野2丁目の総合相談センターであった総代会で説明した。

 経常利益は5億9400万円。前期比40.11%、1億7000万円と大幅に増えた。本業のもうけを示すコア業務純益は、1億8500万円増の7億2400万円だった。

 貸出金は新型コロナ対策関連融資などの推進で22億9100万円増の800億7200万円と、初めて800億円を超えた。

 預金残高は114億500万円減の1911億5300万円。年金受給者ら一般個人預金は堅調だったが、自治体の復興関連預金が大幅に減少した。自己資本比率は1・45ポイント低下の27・08%。高水準を維持した。

 7月にも新型コロナの影響で休止していた総合相談センターの業務を再開する予定。明石圭生理事長は「お客さまの課題解決と地域の深掘りを徹底し、地域のなりわい企業や現役世代への支援を強化していく」と強調した。

 次代を見据えた人材育成のため理事2人を増員し、金庫職員の阿部由紀夫氏(49)と佐藤直行氏(52)を選任した。

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