宮城・柴田町長選 現職の滝口茂氏が無投票6選

 任期満了に伴う宮城県柴田町長選が5日告示され、無所属現職の滝口茂氏(71)が無投票で6選を果たした。同町長選の無投票は、前回2018年に続き2回連続。

 滝口氏は町内を選挙カーで回り、立候補の届け出が締め切られた午後5時過ぎ、同町船岡東原町の事務所に到着。集まった周辺自治体の首長や県議、支持者ら約150人が大きな拍手で出迎えた。

 滝口氏は「新型コロナウイルスや物価高騰で困っている人に手を差し伸べながら『美しく、元気で、快適なガーデンシティ』という将来ビジョンを持って都市基盤を築いていく」と6期目の抱負を語った。

 滝口氏は6月17日の立候補予定者説明会後、報道機関向けに文書で立候補を表明。重点公約として(1)水害対策(2)子育て・教育環境の充実(3)交通弱者への対応(4)新図書館や学校給食センターの建設(5)官民連携で稼ぐ力の醸成-の5点を掲げた。任期は23日から4年間。

 4日現在の有権者は3万2040人。

住民視点、政策に生かす

 散歩に訪れる船岡城址公園で来園者と気さくに言葉を交わす。住民視点を確かめる場として、毎週の公園巡りを欠かさない。後援会長は「上から目線ではなく庶民的。人の話を聞き、政策として形にしていく姿勢は5期20年変わらない」と評する。

 政策実現に向け、職員の育成を重視してきた。「分かりやすく、重要項目から先に。議会には明確なデータを」。行政マンの先輩として資料作成の要諦を伝える。

 県内の首長では数少ない非自民系。永田町や霞ケ関に陳情を繰り返す政治スタイルとは一線を画す。

 趣味は仙台市内での書店巡り。数店を回って都市計画やガーデニングなどの本を買い、牛タンを食べて帰るのが楽しみという。柴田町船岡中央1丁目の自宅で妻、母と暮らす。

[たきぐち・しげる]1951年5月11日、柴田町生まれ、東北学院大卒。県地域振興課長などを経て02年7月の町長選で初当選。仙南地域広域行政事務組合の理事長も務める。71歳。

住民サービス充実と財政、両立なるか

 【解説】柴田町長選で現職の滝口茂氏が無投票で6選された。堅実な行政手腕への評価が多選批判を上回った結果といえる。一部の町議が出馬の動きを見せたが、実績を積み上げたベテランへの挑戦者は現れなかった。

 滝口氏の5期目の成果といえるのが、2024年末完成を見込む総合体育館の整備。大手商社を代表とする企業団が建設・所有し、町が軽負担で賃借する官民連携事業をまとめた。

 ふるさと納税の推進に注力し、自主財源も拡充。全国的な観光PRと連動させ、20年度の寄付額は約17億円と、5期目が始動した18年度の8・5倍に上った。

 6期目は、総合体育館を含む三つの大型プロジェクトのうち、残り二つに着手する。学校給食センター建設と新図書館整備を柱とする魅力あるまちづくりだ。

 大型事業を控えた町政には先行き不透明な要素もはらむ。ふるさと納税は安定財源とはいえず、税収が減少する見込みの一方で社会保障費は増額が続く。

 住民サービスの充実と財政健全化の両立という連立方程式に向き合い、議会や住民が納得する最適解をいかに導くか。集大成の4年が始まる。
(大河原支局・伊藤恭道)

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