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河北郵便局にミニ図書館 イシノマキ・ファーム設置、農家が本提供

郵便局ロビーの一角を利用した「つむぎ図書」

 農福連携による若者の社会参加を目指す石巻市の一般社団法人「イシノマキ・ファーム」は1日、同市相野谷の河北郵便局の協力で、局内ロビーにミニ図書館を設置した。ファームが活動拠点にしている北上町地区の農家らから無償提供された絵本や小説、実用書、漫画本など計150冊を本棚に並べた。

 「つむぎ図書」と名付けたミニ図書館は、日本郵政(東京都)から今年4月にファームに出向した藤本洋平さん(43)の発案。農家から譲り受けた本の有効活用を模索する中、ロビーにコーナーを設置できる河北郵便局が快諾した。

 木製の本棚は登米市の木工所が手がけた。本にファームのシールが貼られ、誰でも借りられる。手続きは不要で貸出期間も設けない。できるだけ丁寧に扱い、返却することが条件という。

 併せて麦の一種「エンバク」や、どんな土地でも良く育ち、実入りもいいことから「借金なし大豆」と呼ばれる国産大豆など10種類の食用植物の種が入った瓶を展示。2、3粒ずつ無料で持ち帰れるユニークな取り組みも実施している。地域の特産化を目指す農作物を遊び心を込めて紹介する企画だ。

 河北郵便局の阿部真琴局長は「新型コロナウイルス禍も落ち着き、人々が気軽に集える局を取り戻そうとしていただけに素晴らしいアイデアを頂いた。ぜひ多くの人に利用してほしい」と話す。

 藤本さんは「郵便局は地域の人々が利用するコミュニケーションの場として親しまれている。農家の人たちの利用も多く、他の住民との接点になってほしい」と期待を込める。

 つむぎ図書は河北郵便局が営業する平日午前9時~午後5時に利用できる。

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