照明は半分、BGMはなし 感覚過敏な人に配慮「クワイエットアワー」注目集める

 発達障害などで感覚過敏に悩む人に配慮し、店舗や施設の照明、音量を控えめにする「クワイエットアワー」が全国的に注目を集めつつある。東北では宮城県内で取り組みが出始めたばかり。誰もが外出しやすい環境の整備に向け、関係者はさらなる広がりを期待する。(生活文化部・柏葉竜)

店内の明るさを控えめにしたクワイエットアワー=3日、富谷市のツルハドラッグ富谷ひより台店

公的施設に拡大期待

 ツルハドラッグ富谷ひより台店(富谷市)は2020年夏、クワイエットアワーを始めた。実施するのは毎週土曜の午前9~10時。照明の明るさを通常の半分にし、BGMは流さない。

 利用客から「店内の光や音が気になるので控えめにしてほしい」と電話で要望があったのに対応した。実施後は感謝のメールが寄せられた。

 当初は「営業しているの?」と一般の来店客に戸惑いも見られたものの、次第に浸透したという。奥山卓哉店長(31)は「さまざまな人が安心して利用できる店づくりを進めたい」と話す。

 一般の人には気にならない音や光でも、感覚過敏の人には苦痛になるケースもある。認定NPO法人みやぎ発達障害サポートネット(仙台市)の公認心理師後藤まほろさん(44)は「サングラスや防音用の耳当てを着けて入店したり、不安で外出できなかったりする人もいる」と説明する。

 世界自閉症啓発デーの4月2日には、CD・書籍販売のスクラム古川店(大崎市)と大河原店(宮城県大河原町)=7月閉店=が、営業時間の一部でBGMを止めた。

 店舗を運営するアビリティーズジャスコ(仙台市)は障害者の就労移行支援に取り組んでおり「いろいろな障害があることを知ってほしい」と実施した。同社営業本部の川野孝志部長(54)は「取り組みの認知度が高まれば頻度を増やしたい」との方針を示す。

 クワイエットアワーは17年ごろ、英国で始まったとされる。日本でも近年、取り組む店舗や施設が少しずつ増えている。愛知県豊橋市の豊橋総合動植物公園は20年、感覚過敏の人らが休園日に来場できる国内初の制度を設けた。

 スポーツ観戦でも、明るさや音量に配慮した「センサリールーム」をスタジアムに置く動きが広がる。サッカーJ1川崎が19年に設けたのが先駆けとなり、2、3月にはバスケットボール男子、B2仙台がホームのゼビオアリーナ仙台(同)に試験的に設置。ガラス張りの部屋に、ノイズを軽減するヘッドホンを置くなどした。

 サポートネット代表理事の相馬潤子さん(72)は「感覚過敏への社会の理解が深まり、公的施設を含めて取り組みが広がってほしい」と話している。

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