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学生消防団員を募集 「石巻専大モデル」創設、現場活動免除 石巻市

石巻専修大モデルの学生消防団を募集するチラシ

 石巻市は消防団員確保の新しい取り組みとして、石巻専修大の学生に特別消防団員として訓練や講習に参加してもらう独自の制度を創設した。火災や災害現場への出動など危険を伴う活動は除外することで参加のハードルを下げ、消防団に興味を持ってもらうきっかけにする狙い。

 新たな制度は、学生消防団活動認証制度の石巻専修大モデルとして新設した。認証制度は在学中に消防団員として1年以上活動した学生に対し、地域に貢献したことを市が証明する。消防団への参加を促す効果を期待するとともに、学生には就職活動でのアピール材料にしてもらう。

 市は2017年度に募集を始めたが、これまでの実績はゼロ。火災や災害発生時に現場出動を求められることが応募のない理由の一つだと考え、市は大学と協議して現場活動を免除したモデル制度をつくった。

 モデル制度では市消防団本部付けの特別消防団員として、消防団の訓練や救命講習など資格取得が可能な研修会に年4、5回ほど参加する。災害発生時などは後方支援の活動に加わることも想定する。一般団員と同じ年報酬3万6600円が支給される。市内か近隣自治体に居住し、健康なことが条件。

 東日本大震災で被災した沿岸部を中心に、市消防団の団員数は高齢化や人口流出で減少傾向が続く。市は昨年10月、団員定数を250人引き下げて1851人にしたが、今年7月1日現在の団員数は1562人で、充足率は約84%にとどまる。

 市は団員確保に向けて年報酬や出場報酬の引き上げ、活動に必要な運転免許取得の助成など処遇改善も進めている。市危機対策課の担当者は「若い世代の団員確保が特に課題。大学と連携して学生へのPRを継続し、団員不足解消の一助にしたい」と語った。

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