被災時の行動考える 石巻で親子防災教室 津波想定し高台目指す
子どもたちに被災時の対処方法を考えて災害に備えてもらおうと、石巻市のNPO法人放課後こどもクラブ「Bremen(ブレーメン)」は10日、「子ども防災まち歩きin日和山」を同市南浜町3丁目の震災伝承施設「南浜つなぐ館」などで開いた。
石巻地方の小学生と保護者計約25人が参加した。公益社団法人3・11メモリアルネットワークの中川政治専務理事が南浜地区からの避難経路を説明。東日本大震災の津波で福島県大熊町の自宅が被災し、家族3人を失ったいわき市の木村紀夫さんが講話をした。
木村さんは東京電力福島第1原発事故による立ち入り規制で家族の捜索が打ち切られた経験を語った。遺骨の一部が見つかった次女汐凪(ゆうな)ちゃん=当時(7)=について「津波の犠牲になったのか置き去りにしたから亡くなったのか」と思いを吐露し、原発に関し家族で話し合うことを求めた。
参加者は津波や原発事故の危険性を念頭に、つなぐ館から徒歩で日和山公園を目指した。
石巻小1年岡愛子(なるこ)さん(7)は「学校では聞かない話を知ることができて興味深かった」と話し、母の小学校教諭麻知子さん(43)は「共働きで助けに行けないので緊急時に自分で判断するたくましさを育てたい」と述べた。