生徒が支えあう学びの場へ 小中教員対象に研修会 東松島市教委
東松島市教委が主催する本年度2回目の「協同的な学びの充実」研修会が20日、同市矢本一中であった。山形大大学院教育実践研究科の森田智幸准教授が「協同と探究の学びのデザイン」と題して講演した。市内の小中学校教員ら約60人が参加した。
森田氏は初めに「社会の変革が進む中、子どもの孤立が深刻だ。ICT(情報通信技術)機器を生徒だけに使わせると学力が低下し、思考・探究せずドリル型になるとの指摘もある。どのような授業が必要か」と課題を投げかけた。
同校の国語や数学などの授業を参観した教室の風景から「生徒が支え合う場としてグループ(3、4人)を導入する。グループは話し合いのためではなく、支え合うために使う」と提案した。
「分からないことについての聴き合いに学びがある。『ねえ、ここどうするの?』から始まるやりとりをつくる。グループは活発に話し合う場ではなく、できたことの説明に学びはない」と述べた。「答えが出せる子は、分からない子に説明が伝わらない時、どうすれば伝わるかを考えてほしい」
森田氏は「教師の役割を見直す。指示で学びはつくれない。(子どもが)向き合う対象の準備をする。探究が対象だ。教師は対象と向き合う場と時間をつくる。学びたい生徒は分からないことをとことん追究していく」と強調した。