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女川原発 県など立ち入り調査、再稼働後初 情報公開徹底を

女川原発の担当者(左)から1号機の使用済み核燃料の移送作業の説明を受ける自治体の担当者ら(代表撮影)

 東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)が昨年12月26日に営業運転を再開したことを受け、県と女川町、石巻市は30日、東北電との原子力安全協定に基づく立ち入り調査を実施した。調査は2号機の再稼働後初めて。運転状況や再稼働の過程で起きたトラブルの対策などを確認し、運転員の技術力向上や積極的な情報発信を東北電に求めた。

 調査には5~30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に入る東松島市など5市町の職員も同行し、計21人が参加。前回の立ち入り調査(昨年7月)以降に行われた各種検査の内容や国が実施した調査の結果、再稼働後の運転状況を書面で確認した。

 再稼働前後には、重大事故時に放射性物質を原子炉建屋外に拡散させない「非常用ガス処理系」の計画外作動(9月13日)や、原子炉に入れた計測機器が動かなくなる不具合(11月3日)などトラブルが計3件あった。自治体担当者はそれぞれの再発防止策などについて東北電側から説明を受けた。

 廃炉作業が進む1号機原子炉建屋内にある使用済み核燃料の移送作業の計画もチェックした。燃料を搬入する3号機で、東北電の担当者がパネルを使い、作業の工程や2027年9月までに終了予定であることを説明した。

 調査後、県と2市町は、運転員や作業員の継続的な教育と技術力の向上、1号機の廃炉作業に関する積極的な情報発信を東北電に要望した。

 県原子力安全対策課の長谷部洋課長は「再稼働後も引き続き緊張感を持って運転してほしい。2号機の不具合はヒューマンエラーが原因だと感じている。対策をしっかり続けてもらいたい」と述べた。

 女川原発の阿部正信所長は「県や関係自治体からの要望を真摯(しんし)に受け止め、これからも安全運転に努める。地域の発展に貢献し、住民から信頼される発電所を目指す」と語った。

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