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輪島塗の誇りと技、一堂に 職人赤木さんが作品展 石巻・観慶丸本店

輪島の職人たちが丁寧に作った椀や皿に見入る来場者

 2024年1月の能登半島地震を乗り越え、制作に励む輪島塗職人の誇りと技が詰まった作品展「赤木明登(あきと) 漆展」が石巻市中央2丁目のカンケイマル・ラボで開かれており、器の優美な仕上がりが市民を魅了している。16日まで。

 塗師(ぬし)の赤木明登さん(62)=石川県輪島市=が代表を務める工房は、被災3カ月後に再開。その後に制作したという椀(わん)や皿など、日常で使う器を中心に約200点を展示している。

 輪島塗は伝統的に、下地や上塗りといった多くの工程を職人が分業している。復興へ歩み始めた赤木さんら職人たちの「今」が1点1点に込められている。

 同施設での工芸展は3回目。初回の2018年は、東日本大震災の爪痕が印象に残ったといい、赤木さんは「当時は石巻を応援したい気持ちになったが、昨年は私たちも被災した。今は強いつながりを感じている」と強調する。

 赤木さんによると、輪島塗の職人はピーク時(1988年)に2400人ほどいたが、2019年ごろには700~800人に減少し、能登地震でさらに減ったという。現状を受け止める一方「受け継いできたものを修理して残す。それが復興だ」と前を向く。

 「木地師(きじし)」を70年余続けてきた職人・池下満雄さんの仕事場を、写真家の雨宮秀也さんが撮影した写真展も同時開催している。午前10時~午後6時。無休。連絡先は観慶丸本店0225(22)0151。

赤木明登 漆展 - 観慶丸本店

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