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鈴鹿景子さんの遺志継ぐ 東京の俳優仲間が舞台再現 石巻・キネマティカ

人形を使った不条理コントで観客を楽しませた高橋さん(左)と鈴本さん=16日

 「鈴鹿景子の置き土産」と題した演劇公演が15、16の両日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカであり、2023年に67歳で亡くなった同市出身の俳優鈴鹿さんが生前、演出した不条理コントを東京の俳優仲間2人が再現した。

 「古里を演劇で盛り上げたい」という鈴鹿さんの遺志を継いでシアターキネマティカの舞台に立ったのは高橋哲彦さんと鈴本幸生さん。「結婚」や「死体との出会い」「奇妙なホテル」などをテーマにした短編6本を2人または1人芝居で上演、ささいなことから日常が崩れる不条理な世界をブラックユーモア的に表現した。

 観客はライフワークとした方言による語り芝居だけでなく、演出にも才能を発揮した鈴鹿さんに思いをはせた。

 仙台市から訪れた介護職の横尾和樹さん(35)は「最小限のセットが想像力を膨らませた。毒のあるユーモアに笑った。鈴鹿さんの世界に触れた気がした」と話した。

 公演を主催した鈴鹿景子事務所(東京都)プロデューサー鬼嶋英治さん(81)は「鈴鹿は俳優と自分の解釈をすり合わせながら作品を創りあげた。今回は一緒に芝居をしてきた高橋君が、彼女だったならこう演出したのではと想像しながら創ったのでは。彼女の演出の下で生まれた作品を、これからも石巻に持ってきたい」と語った。

 公演は「Suzuka Keico Memorial Theater(鈴鹿景子メモリアルシアター)」第2弾として行われた。

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