元東電会長の勝俣恒久さんが死去 84歳、福島第1原発事故で退任
東京電力(現・東京電力ホールディングス)で社長、会長を歴任した勝俣恒久(かつまた・つねひさ)さんが21日に死去した。東電ホールディングスが31日、発表した。体調が急変したという。84歳。東京都出身。葬儀は家族で行った。お別れの会は予定していない。
1963年東大卒。東京電力入社後は企画部長を務めるなど企画部門を長く歩んだ。副社長だった2002年に、原発の点検データ改ざんのトラブル隠しを巡り当時の南直哉社長が辞任、後継の社長に就いた。
その後も06年に原発のデータ改ざん、07年に新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の全基停止など、トラブルが相次いだ。
08年からは会長を務めた。11年3月の東日本大震災に伴う福島第1原発事故で、対応が不誠実だと被災者らの反発を招き、12年6月に会長を退任。対策を怠り事故を防げなかったとして、業務上過失致死傷罪で強制起訴された。一、二審は無罪となり、検察官役の指定弁護士側が最高裁に上告した。今後、刑事訴訟法の規定に基づき、公訴棄却されるとみられる。
共同通信