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教訓を風化させない 震災10年、オンラインで語り部生配信 日本赤十字宮城県支部

震災前の大川地区模型を前にオンラインで語り部をする永沼さん(右)

 日本赤十字宮城県支部は20日、東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった石巻市旧大川小と周辺施設でオンライン語り部LIVEを行った。震災から10年目を迎える中、貴重な教訓を風化させない取り組みの一環として、西日本在住の赤十字ユースに配信した。

 このうち旧大川小からは、同校卒業生で大川伝承の会メンバーの東北福祉大4年永沼悠斗さん(26)が語り部として、教訓を後世に伝えていく意義などについて話した。

 永沼さんは、津波で当時同小2年だった弟、曽祖母、祖母を亡くした。「校庭にいた児童や教職員らはみんな避難すべきだと考えていたはずだ。震災の2日前にも大きな地震があった。家族と津波避難について話し合わなかったのが今でも悔やまれる。皆さんは備えてほしい」と伝えた。

 震災前の大川地区一帯を再現した模型を前に永沼さんは「津波で自宅、家族だけでなく地区全体を失った。震災後の生活はまだ10年だが、震災前には営々と積み重ねてきた地区の歴史があった。その記憶と記録を大切にし、今は心の復興に取り組んでいる」と話した。

 今回のオンライン語り部は、全国の小中高生を対象に実施している企画の社会人版。石巻市で震災の伝承活動に取り組む公益社団法人「3.11みらいサポート」と協働した。

 今回は福岡、長崎、大分、熊本、岡山、滋賀など九州を中心とした10県に住む30歳以下の学生、社会人からなる赤十字ボランティア23人に生配信した。

東日本大震災から10年 JRCオンライン語り部LIVE - 日本赤十字社 兵庫県支部

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