桜(さくら)は春(はる)に咲(さ)く花(はな)です。仙台(せんだい)では毎年(まいとし)、３月(がつ)の終(お)わりから４月(がつ)の中(なか)ごろまで、きれいなピンク色(いろ)の花(はな)が咲(さ)きます。

　夏(なつ)から冬(ふゆ)の間(あいだ)に桜(さくら)の花(はな)が咲(さ)くことはありません。ところが今年(ことし)、珍(めずら)しいことが起(お)きました。９月(がつ)に１本(ぽん)の桜(さくら)の木(き)の花(はな)が咲(さ)いたのです。その桜(さくら)は、仙台(せんだい)港(こう)のすぐそばの向洋(こうよう)海浜(かいひん)公園(こうえん)にあります。

　宮城野区(みやぎのく)の鈴木(すずき)達(とおる)さん（６５歳(さい)）は、時々(ときどき)ボランティアで公園(こうえん)をきれいにしています。９月(がつ)２２日(にち)、鈴木(すずき)さんが公園(こうえん)へ行(い)くと、３０個(こ)ぐらいの花(はな)が咲(さ)いていました。そして、次(つぎ)の日(ひ)には１００個(こ)ぐらいに増(ふ)えていました。

　鈴木(すずき)さんは、今年(ことし)の夏(なつ)が暑(あつ)かったためではないかと思(おも)っています。「とても暑(あつ)くて、桜(さくら)の木(き)がびっくりしたのではないでしょうか。それで、春(はる)ではないのに花(はな)を咲(さ)かせたのかもしれません。公園(こうえん)にはよく来(き)ていますが、９月(がつ)に桜(さくら)が咲(さ)いているのを見(み)たのは初(はじ)めてです」と驚(おどろ)いています。

　向洋(こうよう)海浜(かいひん)公園(こうえん)は、２０１０年(ねん)３月(がつ)に宮城県(みやぎけん)が造(つく)りました。６・９ヘクタールの広(ひろ)さがあります。２０１１年(ねん)３月(がつ)１１日(にち)にあった東日本(ひがしにほん)大震災(だいしんさい)の大(おお)きい津波(つなみ)で使(つか)えなくなりました。でも、２０１３年(ねん)４月(がつ)からまた使(つか)えるようになって、その後(あと)、桜(さくら)の木(き)が植(う)えられました。

　公園(こうえん)のすぐそばの海(うみ)では、たくさんの人(ひと)がサーフィン（波(なみ)の上(うえ)に乗(の)るスポーツ）を楽(たの)しんでいます。鈴木(すずき)さんもその一人(ひとり)です。そのため、公園(こうえん)はサーフィンをしている人(ひと)も掃除(そうじ)をして、みんなできれいに使(つか)っています。鈴木(すずき)さんは桜(さくら)の木(き)を植(う)える活動(かつどう)もしました。それで、特(とく)に大切(たいせつ)な場所(ばしょ)だと思(おも)っています。「９月(がつ)に咲(さ)いた珍(めずら)しい桜(さくら)を、ぜひ見(み)に来(き)てほしいです」と話(はな)しています。