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東日本大震災で人が住めなくなった仙台市荒浜で、昔のやり方で結婚式をした人がいます
昔、仙台市若林区の荒浜には、たくさんの人が住んでいました。でも、2011年の東日本大震災の津波で、全部なくなってしまいました。今は誰も住んでいません。
その荒浜で6月9日、結婚式をした人がいます。佐々木紳悟さん(30歳)と梨乃さん(30歳)です。
紳悟さんは東北大学の学生だった2018年に、「海辺のたからもの」というグループをつくりました。荒浜などの環境を守るグループです。それで、今でもごみを拾う活動をしています。
今年2月、紳悟さんは荒浜へ行った時、結婚式のことを聞きました。昔、荒浜の人たちがしていた結婚式のやり方です。紳悟さんはその話を聞いて、「荒浜の文化を残したい」と思いました。それで、荒浜で結婚式をすることに決めました。
結婚式は60人くらいの人が来ました。昔の結婚式では、民謡(昔からそこで歌われている歌)を歌う人がいます。その人の後ろを、着物を着た梨乃さんが歩きました。紳悟さんの待っている場所まで、みんなで並んで行きます。梨乃さんたちはゆっくり歩いて行きました。そして、紳悟さんが迎えて一緒になりました。その後、2人は「オシャクシサン」という人の前で、杯(日本の小さいコップ)でお酒を飲みました。こうして昔の荒浜のやり方で結婚式を行いました。この日は、荒浜に住んでいた人たちも来て、お祝いを言いました。
荒浜は、東日本大震災で多くの人が亡くなって、悲しい街になりました。でも、紳悟さんは、荒浜を「おめでとう」がたくさん言える街にしたいと思っています。「次は私が結婚式を手伝ってあげたいです」と話しました。
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