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猫の赤ちゃんを守る「ミルクボランティア」をしている人がいます 猫を死なせたくないと願っています
猫の赤ちゃんが生まれても、飼う人がいないときは、保健所という役所が引き受けます。でも、保健所の人だけで世話をするのは難しいことです。育てている時に死んだり、したくないのに、殺さなければならないときもあります。それで、宮城県は猫を死なせないように、2022年に「ミルクボランティア」を始めました。ミルクボランティアは、猫の赤ちゃんを預かって、世話をする仕事です。猫を飼ってくれる人が見つかるまで、2カ月ぐらい育てます。
宮城県大崎市の主婦、若見朝子さん(55歳)は、2023年4月にミルクボランティアになりました。生まれて3週間の猫5匹を5月9日から預かって、大切に育てています。
若見さんは、2時間おきにミルクをあげます。目覚まし時計を使って、夜も起きてミルクやトイレの世話をします。若見さんは「自分の子どもを育てるのと同じです。大変ですが楽しいです。生まれた命を、飼う人に届けるために育てたいです」と言います。
ミルクボランティアは、宮城県にある4つの保健所がやっています。これまでに若見さんなど、7組の人がなりました。保健所の人は、ミルクやペット用のシーツ、体重計(体の重さをはかる道具)などを、ボランティアの人にあげたり貸したりします。猫が病気になったら、動物の病院で診てもらうこともできます。
このボランティアが始まったのは、保健所で引き受ける猫が増えているからです。赤ちゃんを生まないための手術をしていなかったり、誰にも飼われていない猫に餌をやったりする人がいるからだそうです。宮城県の話では、去年は821匹の猫が保健所へ来ました。子どもの猫は511匹で、半分以上でした。大崎保健所の人は「ミルクボランティアだけでなく、みんなで協力(力を一つにして、一緒にそのことをする)して、保健所へ来る猫の数を減らさなければなりません」と話します。
何年か前、若見さんは家の前に猫を捨てられたことがありました。箱の中には、子どもの猫が5匹も入っていました。それで、若見さんは猫を守るミルクボランティアをしようと思いました。「育てられないからと言って、捨てる人がいます。でも、してはいけないことです。猫は殺されるために生まれたのではありません」と話しています。
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