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漢字の読み方
クマが増えすぎて困っているので、青森県西目屋村はクマを肉にしています マタギのようにクマを大切にしようと思っています
東北には1000年以上前から「マタギ」という人がいます。マタギは山の中で生活しています。そして、クマなどの動物を捕っている人です。昔はたくさんいましたが、今はずいぶん少なくなりました。
マタギは「山には神様が住んでいる」と思っています。ですから、捕ったクマは、神様からのプレゼントです。それで、クマの肉を大切に食べます。クマの毛皮を服にして着るマタギもいます。
最近、東北でクマが増えています。人が住んでいる所に来て、米や野菜などを食べるので、とても困っています。また、人を殺すクマもいます。危ないですから、みんなクマが怖いです。そのため、かわいそうですが、クマが出てくると、殺して山に捨てています。
青森県の西目屋村は、昔からマタギが多く住んでいた所です。今でも「動物などは山の神様からいただいた物」という考え方があります。ですから、村の人は殺したクマを捨てないで、大切にしたいと思いました。
それで、2020年11月にクマの肉の工場を造りました。クマの肉は4,5日置いておくと、嫌な臭いがなくなるそうです。その後で、肉をおいしく食べることができるように作っています。
クマの肉は、ホテル「白神館」や道の駅「津軽白神」で食べることができます。村はクマカレーなどを作って売っています。2021年7月から1年ぐらいで1000万円以上売れたそうです。
2022年はクマを7頭しか捕ることができませんでした。そのため、肉にするクマが足りなくて困っていました。しかし、今年は60頭ぐらい捕っています。西目屋村の人は「今年はクマが多いので、びっくりしています。工場の冷蔵庫には、いっぱい肉があります」と話しています。
クマの肉は、一般財団法人ブナの里白神公社が作って売っています。ここで働く角田克彦さんは「クマの肉は嫌な臭いがして硬いイメージがあります。でも、一生懸命作れば、おいしく食べることができます。クマを使って西目屋村を良くしていきたいです」と話しています。