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米粉を使ったパンの大会で1位になった女性がいます
鮎川ゆきさん(40歳)は、山形県でパンの店を開いています。鮎川さんのパンは米粉(米を細かい粉にした物)を使って作ります。米粉をたくさん使ったパンは、お餅のように柔らかいです。レーズン(ブドウを干した物)やクルミも入っていて、とてもおいしいです。
13年前、鮎川さんは福島県飯舘村でパンを作っていました。でも、2011年3月の東日本大震災で、福島県の原子力発電所(電気をつくる所)では大変な事故が起きました。飯舘村と発電所は40キロくらいしか離れていなかったので危険でした。それで、すぐにお父さんとお母さん、そして二人の子どもたちを連れて車で逃げました。
行こうとした所は、鮎川さんが生まれた秋田県でした。でも、山形県新庄市まで来て、車のガソリンがなくなってしまいました。鮎川さんは「飯舘村で生活することはできなくなった。もう、これ以上なくなるものはない。ここで頑張ろう」と思って、山形県に住むことにしました。
新庄市のパン屋で働いた後、2015年に自分のパン屋「あおいそら」を開きました。渉さん(34歳)と結婚して、3人目の男の子が生まれました。渉さんとお母さんの3人で焼くパンは人気がありました。でも、もっと広い店と家が欲しかったので、2022年に山形県東根市に引っ越しました。
2023年に米粉を使ったパンの大会がありました。鮎川さんは「くるみレーズン」を出しました。すると、33の店が出した84個のパンの中で1番になったのです。
鮎川さんは「13年間、一生懸命にパンを作ってきました。これまでやってきたことは間違っていませんでした」と、うれしそうに話しました。
鮎川さんは山形県だけでなく、仙台市や飯舘村のイベントに行ってパンを売ることもあります。「私が元気になるまで応援してくれた山形の人たちに、ありがとうと言いたいです。私のパンを食べてもらって、山形の米粉のおいしさを伝えていきたいです」と話しています。
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