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「ヨーロッパヒラガキ」が岩手の海で生きていました 東日本大震災の津波でいなくなっていました
カキは、昔から世界中の人が食べている貝です。日本では「マガキ」という種類が有名です。「ヨーロッパヒラガキ」は、1952年にオランダから日本に運ばれました。マガキより平らで、丸いです。
東北の人たちは、このカキを大切に育てました。しかし、食べる人が少なくて、高い値段で売れませんでした。それで、ほとんどの人が、2000年ごろまでに育てるのをやめてしまいました。
その後、東日本大震災の津波で、このカキを育てていた建物がなくなってしまいました。多くの人は「もう、ヨーロッパヒラガキがいなくなった」と思っていました。
2023年4月、岩手県釜石市にある岩手県水産技術センター(海のことを研究する所)に、魚を捕っている人から電話がありました。「海の中に、見たことがないカキがある」という話でした。
センターの人が調べると、それはヨーロッパヒラガキでした。もっと調べると、ヨーロッパヒラガキが岩手県の七つの場所で生きていることも分かりました。東北の人たちが育てるのをやめても、ヨーロッパヒラガキは生きていたのです。
ヨーロッパヒラガキは、今、世界の国で人気の貝になっています。ワインと一緒に食べると、おいしいことが分かったからです。でも、ヨーロッパでは、今までたくさん採れたヨーロッパヒラガキが採れなくなりました。それで、値段も上がりました。今、このカキを買うのは、お金持ちが多いそうです。
マガキをよく食べている東北の人たちも、ヨーロッパヒラガキを食べて、「このカキは少し苦いですが、ワインと一緒に食べるとジュースのような味がします。とても、おいしいです」とびっくりしています。
最近、岩手では、サケやワカメがとれなくなりました。そのため、岩手県水産技術センターは、ヨーロッパヒラガキをたくさん作るための準備をしています。小林俊将部長は「このカキが新しい仕事になるように、これからもっと研究を続けていきたいです」と話しています。
写真 ヨーロッパヒラガキ(右)とマガキ=岩手県釜石市の県水産技術センター
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