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漢字の読み方
100歳の女の人が、大切なものを高校生にあげました 長い間使っていた絵の道具です
仙台市の吉田三千子さんは100歳です。長い間、日本画を描いてきました。日本画は、アメリカやヨーロッパの絵とは違う描き方をします。絵に色をつける道具も違います。近くに住んでいる人は、吉田さんを「日本画のおばあちゃん」と呼んでいます。
吉田さんが日本画を勉強するようになったのは、50歳ぐらいの時です。子どもの頃から絵に興味があったので、絵を習いたいと思いました。それで、仙台市にある日本画の教室に入りました。
吉田さんは教室で一生懸命、日本画を勉強しました。そして、少しずつ上手に描けるようになりました。1年に2枚ぐらい描いて、絵の展覧会で、いろいろな人に見てもらいました。「とても上手な絵」に選ばれたこともありました。
こうして、吉田さんは50年ぐらい日本画を描いてきました。でも、目がだんだんと見えにくくなって、続けることが難しくなりました。2019年12月に宮城野区の老人ホーム(お年寄りだけが住む所)に入りました。家も壊すことになりました。そのため、家の中にあるたくさんの絵の道具を誰かにあげることにしました。
吉田さんの息子の達郎さん(69歳)は「母が大切にしてきた物なので、仙台の若い人に使ってもらいたい」と思いました。それで、仙台市の宮城野高校にあげることを決めました。7月11日、達郎さんはたくさんの道具を車で運んで、高校に渡しました。
五十嵐陽菜さん(17歳)は宮城野高校で絵を勉強しています。「日本画の道具は高いです。だから、とてもうれしいです。長い間、絵を描き続けた吉田さんはすごいと思います」と話しました。
吉田さんは絵を描くことで、大切な友だちができました。「友だちとたくさん話したことや、バーベキューをしたことが一番楽しかったです」と言いました。