【ニュース】秀句の泉
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(860)一僕とぼくぼくありく花見哉/北村季吟(1624~1705年)
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(859)国よりも先に生まれし田螺(たにし)かな/渡辺誠一郎(1950年~)
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(858)春愁や草の柔毛(にこげ)のいちしるく/芝不器男(1903~1930年)
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(857)大學生おほかた貧し雁歸(かりかえ)る/中村草田男(1901~1983年)
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(856)春の雲素顔ひとつに決められぬ/なつはづき(1968年~)
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(855)木になりて春の鳥どち宿したし/中嶋鬼谷(1939年~)
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(854)地球儀の半球眩し彼岸過/加藤右馬(1990年~)
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(853)牛死せり片眼(かため)は蒲公英(たんぽぽ)に触れて/鈴木牛後(1961年~)
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(852)蕗のたう洗ふや水の手になりて/常原拓(1979年~)
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(851)うぐひすのこゑに小さく畳む紙/安里琉太(1994年~)
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(850)九つはさびしい数よ鳥雲に/今井杏太郎(1928~2012年)
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(849)春の水花瓶の中に曲がりけり/小野あらた(1993年~)
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(848)龍天に昇らせ妣(はは)と遊びけり/佐藤鬼房(1919~2002年)
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(847)舐(な)めてゐる飴(あめ)が化石に春の夢/吉沢美香(1999年~)
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(846)やがてわが真中を通る雪解川/正木ゆう子(1952年~)
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(845)沢やがて名のある川へ雪間草/小泉展子(1946年~)
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(844)春月の家おぢいさんおばあさん/黒田杏子(1938~2023年)
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(843)朝寝して不思議な夢を出入りする/山田佳乃(1965年~)
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(842)翼なきものへ焼野の朝が来る/佐々木啄実(2004年~)
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(841)故郷(ふるさと)の春夕焼は弔旗なり/土見敬志郎(1935年~)