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官製談合事件 仙台地検、石巻市職員ら3人起訴 現場事務所で設計書手渡す

 石巻市発注の下水道工事の入札を巡る官製談合事件で、仙台地検は1日、官製談合防止法違反などの罪で、市下水道建設課技術課長補佐の星洋一(50)=同市大街道北4丁目=、同課係長の寺内友和(46)=同市美園2丁目=の両容疑者を、公競売入札妨害の罪で同市の建設会社「遠藤興業」専務執行役員の遠藤光弥容疑者(67)=同市新成2丁目=をそれぞれ起訴した。

 起訴状などによると、昨年2月15日に実施された下水道工事「西流下1号石巻中央雨水準幹線築造工事」の制限付き一般競争入札で、市職員の両被告が2月1日、遠藤被告に最低制限価格を算定する基準価格などが記載された設計書を市内の現場事務所で渡し、落札させて公正な入札を妨害したとされる。

 市の一般競争入札の記録によると、官製談合の対象となった下水道工事は予定価格4838万8000円、最低制限価格4345万5004円。入札には8社が参加し、遠藤興業が4370万円で落札した。落札率は90.3%で、最低制限価格との差は24万4996円だった。

 これまでの県警の調べに対し、3人はいずれも容疑を認めている。3人は東日本大震災の復興工事の現場で知り合ったといい、この下水道工事を巡っては、市職員の両被告が工期の遅れなどを避けようと施工能力の高い遠藤興業に便宜を図る一方、遠藤被告は受注したい工事の情報提供を求めていたとみられる。

 市の一般競争入札の記録によると、遠藤興業がこの工事のほかにも市発注工事を最低制限価格に近い額で入札し、相次いで落札したことも分かっている。県警は、星、寺内両被告が遠藤被告に漏えいした入札情報を基に、同社が複数回にわたって落札したとみている。

斎藤正美市長コメント「改めておわび厳正に対処する」

 市民の皆さまはじめ関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をかけたことを改めておわびする。今後の状況を踏まえながら厳正に対処していくとともに、全庁挙げて再発防止に取り組んでいく。

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