幸運の車ナンバー? 「358」熊本県内希望者多く 東洋占術、風水…解釈一致せず
車のナンバーを好きな番号で登録できる「希望ナンバー制」が始まって四半世紀近く。以前から人気の並び数字や験担ぎ、「1592(ひごくに)」といった語呂合わせに加え、近年は熊本県内でも「エンジェルナンバー」なるものが流行しているという。謎のナンバーを熊本日日新聞「SNSこちら編集局」(S編)取材班が追った。
熊本ナンバーのプレート交付を代行する県自動車標板協会(熊本市)によると、協会への希望ナンバー申請数は1日に100~450件。末広がりで縁起が良いとされる「8888」や「1」などは制度開始時から人気で、全国で抽選制になっているが、松岡史朗事務局長(63)によると、ここ数年人気なのが「358」だ。「358はエンジェルナンバーで、つけると幸運になれるという話が広まっているそうです」
358は自動車販売現場でも話題だ。ユナイテッドトヨタ熊本(熊本市)の稲田隼弥さん(37)は「うちの店舗では、ほかの番号は人気の数字でも希望が累計で100件にも満たないのに、358は約660件と圧倒的です」と話す。似た番号の「3588」も累計300件ほど。希望者は40~50代が中心で、知人から勧められた場合が多いという。輸入中古車販売のインポートカーグローバル(同市)の川端一成さん(61)も「358は男女問わず人気がある」と証言した。
玉石混淆の情報飛び交う
なぜ「エンジェルナンバー」なのか。ネット上では「風水で吉数とされる数字の組み合わせ」や「お釈迦(しゃか)様が悟りを開いたのが35歳8カ月だったから」など玉石混交の情報が飛び交っているが、占いの専門家からすると疑問も残るそうだ。
東洋占術が専門の占い師、谷口尚熙さん(50)=熊本市=は「個人的には姓名判断で格別に良い数字の組み合わせとは思えない。東洋占術においては『悪くはない』程度の印象の数字です」と話す。
風水の解釈とも完全には一致しない部分があるという。「5」や「8」はともかく、「3」は根拠が不明確だとか。天からのお告げを受け取る占い「オラクルカード」との関係から「天使」と結び付けられたという推理は成り立つそうだが、いずれにせよ、宝くじが当たるなどの成功事例などから「言い出した人がいるはずだ」と見立てた。
さて、就職を控えて車の購入を検討中という熊本市の大学生、町田茜さん(22)は「ナンバーは大学に合格した受験番号にしたい。縁起は大事」。希望ナンバーには、その人の人生も映し出されるようだ。(熊本日日新聞・田中慎太朗)
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