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ひばり野バイオマス発電所 稼働状況、報道陣に公開 石巻・潮見町

蒸気を作るボイラーエリア上階から施設概要を説明する細見所長
燃料を一時保管するタンクなどを備えた発電所

 再生可能エネルギー事業を手がけるレノバ(東京)などは18日、3月に稼働した石巻市潮見町の「石巻ひばり野バイオマス発電所」を報道陣に公開した。発電出力は7万5000キロワットで、木質燃料専門のバイオマス発電所では国内最大規模。年間で一般家庭17万世帯分に相当する5億3000万キロワット時を発電する。

 発電所は木質燃料を燃やして蒸気を作り、タービンを回転させて発電する仕組み。蒸気の冷却には水ではなく空気を使う「空冷式」を採用し、海への排水を最小限にした。東北電力ネットワークに1キロワット当たり24円で売電している。

 細見裕己発電所長ら担当者が、蒸気を作るボイラーエリアの上階から燃料置き場や空冷式復水器の機能などを解説。燃料のパームヤシ殻や木質ペレットを一時保管するタンクに搬入する様子も公開した。

 敷地面積は燃料置き場を含めて計約8.5ヘクタール。発電所用地は津波対策で5メートルかさ上げし、タービンは地上からさらに4メートル高い位置に設置した。

 燃料は北米や東南アジアから輸入する。将来的には県産未利用材の木質チップの活用も見込む。年間計約32万トンを石巻港雲雀野埠頭(ふとう)で陸揚げし、発電所へ運搬する。

 レノバと東京ガス子会社「プロミネットパワー」(東京)、ユナイテッド計画(秋田市)などが出資した合同会社「石巻ひばり野バイオマスエナジー」が運営。24時間稼働し、従業員約30人のうち10人ほどを石巻、東松島両市から採用した。

 細見所長は「CO2削減を目指した再生可能エネルギーの発電所という点をPRし、事業に取り組む。安定稼働を目標に、地域活性化にも貢献していきたい」と話した。

 レノバは2000年に設立。建設中を含め、全国7カ所でバイオマス発電事業を展開している。

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