石巻ひばり野バイオマス発電所、営業運転を開始 木質燃料専門、国内最大規模 年間17万世帯分
再生可能エネルギー事業を手がけるレノバ(東京)は28日、石巻市潮見町に整備した「石巻ひばり野バイオマス発電所」の営業運転を同日に始めたと発表した。発電出力は7万5000キロワットで、木質燃料専門のバイオマス発電所では国内最大規模。
年間発電量は一般家庭17万世帯分に相当する5億3000万キロワット時を想定する。24時間稼働し、東北電力ネットワークに売電する。従業員は約30人体制で、6人を地元から採用した。
立地場所は県が造成した工業用地を取得した。敷地面積は発電所用地と燃料置き場を合わせ計約8.5ヘクタール。木質燃料を燃やして蒸気を作り、タービンを回転させて発電する。蒸気の冷却には水ではなく空気を使う「空冷式」を採用し、海への温水の排出を最低限に抑えた。
燃料は北米や東南アジアから輸入した木質ペレットとパームヤシ殻を活用。将来的には県産の未利用材木質チップの活用も見込む。年間計約32万トンを石巻港雲雀野埠頭(ふとう)から発電所へ運搬する。石巻港に寄港する船舶数も大幅な増加が見込まれる。
運営はレノバと東京ガス子会社「プロミネットパワー」(東京)、ユナイテッド計画(秋田市)、みずほリース(東京)が出資した合同会社「石巻ひばり野バイオマスエナジー」が担う。
施設は2020年10月に着工。22年10月に試運転を始めた。当初は23年5月に営業運転を始める計画だったが、設備点検などに時間を要してずれ込んだ。
同社は「地域社会との共生と安全を最優先して運営し、脱炭素社会の実現に貢献していく」とコメントした。
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