災害に備え、伝承の担い手へ 中学生かほく防災記者、第4期研修生を募集
河北新報社は宮城県内の中学生を対象に、東日本大震災の教訓や災害への備えを学んで発信する「かほく防災記者」の第4期研修生を募集します。5月に開講し、災害の伝承と防災の担い手育成を目指します。7月29、30日には石巻市に会場を設け、2日間の夏季集中講座を行う予定です。
研修は5~12月に計4回、仙台市青葉区の河北新報社で開催し、津波被災地の視察もします。受講無料。防災を学ぶ高知県の中学生との交流会も開きます。定員は10人程度。応募には保護者の同意が必要です。
研修会の様子は、河北新報の紙面で紹介します。研修生には家族と一緒に災害対策や避難訓練に挑戦し、防災記者として新聞記事を執筆してもらいます。
河北新報オンラインの登録フォームや、QRコードから申し込めます。締め切りは5月6日。石巻市で行う夏季集中講座は後日、案内を掲載します。
連絡先は河北新報社防災・教育室022(211)1591。メールはchugaku@po.kahoku.co.jp
第4期の研修スケジュールと課題
「かほく防災記者」の第4期研修は、4回の研修で災害の教訓や命を守る行動について学び、2回の課題実践で家庭の備えに挑戦します。高知新聞の防災いのぐ特派員との交流会も開催します。
研修生は河北新報社の記事データベースを無料で使用できます。研修や課題の内容は次の通りです。
■第1回研修(5月26日)
事前に家族や自分の被災体験、過去に地元で起きた自然災害を調べ、リポートにまとめて参加してください。前半はリポートを一人一人発表してもらいます。
後半は公益社団法人3.11メモリアルネットワークスタッフの阿部任さん(29)が講師を務めます。東日本大震災の津波で石巻市の家屋が倒壊し、9日後に救出されるまでの体験と後悔について語ります。
■第2回研修(6月30日)
震災で甚大な津波被害を受けた名取市閖上を視察します。閖上中遺族会代表の丹野祐子さん(55)から震災前の生活、震災直後の被害の様子、地域の復興の歩みを聞きます。
■課題実践「防災・減災に挑戦」(7~8月)
「災害遺構を調べてみた」「非常持ち出し袋作ってみた」などからテーマを選び、夏休みに家族と課題に取り組んでください。発見や成果、解決策について原稿も書きます。
■高知新聞防災いのぐ特派員交流会(8月4日)
南海トラフ地震への備えなどを学ぶ高知の中学生記者と、災害時の判断を疑似体験する防災ゲームをしたり、研修で学んだ内容を報告し合ったりします。
■第3回研修(9月29日)
毎年、全国で被害が相次ぐ豪雨災害に備え、家族の行動を時系列で決めておく予定表「タイムライン」を作ります。ハザードマップで自宅周辺のリスクを調べ、避難準備、移動開始のタイミングなどを書き込み、完成させます。
■課題実践「私が主役の避難訓練」(10~11月)
自宅から最寄りの避難先まで、家族と避難訓練をしてもらいます。行きは移動時間を調べ、帰りは危険箇所や災害発生時に役立ちそうな物、場所などをチェックします。
■第4回研修(12月22日)
「家族と避難訓練」の原稿を発表した後、見出しの付け方など編集作業を教わりながら一人一人「マイ防災新聞」を完成させます。
第3期の活動紹介
かほく防災記者は、災害や備えを学ぶだけでなく、記者として記事を書き、防災情報の発信に取り組みます。取材や体験で得た情報を整理し、自分の言葉で原稿にする作業は、理解度を深め、知識や体験を定着させる効果が期待できます。
河北新報に掲載した防災記者の記事や写真などから、2023年度第3期の活動を振り返ります。
【調べ学習の発表】
東日本大震災や、2019年の台風19号など、自分や家族の被災体験を報告し、教訓を共有しました。石巻会場では、地元出身の防災士から震災の被災体験を聞きました。
【被災地視察】
仙台会場の研修生は石巻市震災遺構門脇小を訪問し、地震と津波、火災に襲われた学校の様子と避難行動を、当時校長だった鈴木洋子さんから聞きました。石巻会場の受講生は南三陸町の民間震災遺構高野会館を視察し、垂直避難の実例を学びました。
【課題実践「防災・減災に挑戦」】
「家の地震対策を実践」といった課題に家族と取り組みました。
【高知の中学生と交流】
南海トラフ地震への備えなどを学ぶ高知新聞の防災いのぐ特派員と、学んだことを教え合い、備えの意識を高めました。
【タイムライン作成に挑戦】
2019年の台風19号の被災者から体験と教訓を聞いた後、水害と土砂災害への備えを時系列で決めておく予定表「タイムライン」を作りました。
【課題実践「私が主役の避難訓練」】
震度6強の地震が発生したと想定し、自宅から最寄りの避難先まで、家族と避難訓練しました。「避難所が使えない場合の2次避難先を考える」という課題にも取り組みました。
【マイ防災新聞作り】
「私が主役の避難訓練」の成果を報告し、自ら書いた記事に見出しを付けました。
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