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バス・列車優先席、座る? 座らない? SNSアンケート「気まずい」自重派6割

混雑時の利用の判断が分かれる仙台市バスの優先席

 「混雑するバスで優先席が空いていることがある。座る派と座らない派、どっちが多いの?」。通勤で仙台市バスを利用する青葉区の女性(56)から、「読者とともに 特別報道室」に質問が寄せられた。河北新報社が無料通信アプリ「LINE(ライン)」で読者らを対象にアンケートを実施すると、公共交通機関の優先席に座らない自重派が半数以上を占めた。

 アンケートの結果は「座らない」が58・4%、「座る」が41・6%。年代別では「座る」が50代以下で33・3%、60代以上で57・8%と、ここが分岐点になっていた。

 座らない派の理由で多かったのが周りの視線。「はっきりとした理由はないが何となく気まずい」(仙台市・10代男性)「正直、周りの目が気になる」(宮城県柴田町・30代女性)といった声が少なくなかった。

 一方、座る派は「自分が座った分、新しく乗り込む人のスペースが空く」(仙台市・20代女性)など、車内の混雑回避を重視する声が目立った。もちろん優先席対象者が乗車時、席を譲ることを前提にしていた。

 実際、優先席はどう使われているのか。6月下旬の帰宅ラッシュ時、仙台市役所前で市バスを調べてみた。座席は半分ほど埋まり、5席ある優先席のうち2席が埋まっていた。バス通勤する泉区の40代男性は座る派。「席を必要とする人が来たら譲ればいい」と説明した。

 仙台市バス、市地下鉄の優先席のルールを、市交通局に聞いた。優先対象は高齢者、体の不自由な人、妊娠中の人、乳幼児連れの人など。自動車部業務課長の和泉政博さん(55)は「常に空けておくべき席というわけではないので、座っても大丈夫」と説明する。

 アンケートでは、外見では分かりづらい内部の障害を周りに伝える「ヘルプマーク」に関する意見も6件寄せられた。埼玉県の40代女性は「娘がヘルプマークを着けているが、見て見ぬふりをされることが多く苦労している」と訴えた。

 市交通局の和泉さんは「周りに必要な人がいたら席を譲り、思いやりを持って公共交通を利用してほしい」と呼びかける。

 調査は「読者とともに 特別報道室」のLINEで友だち登録する人などを対象に6月20~23日に実施した。267件の回答があった。一般の世論調査とは異なる。

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