東日本大震災10年  空から見た復興のかたち

 「フレコンバッグ」と呼ばれる黒色の袋が次々とダンプカーに積み込まれる。袋の中身は東京電力福島第1原発事故で出た除染廃棄物。土から草木などが取り除かれて、近くの土壌貯蔵施設に埋め立てられる。  福島県大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設には、県内各地から除去土壌が詰まった袋が大量に集まる。分別や埋め立ての処理が追い付かず、一部が敷地内の保管場で山積みにされていた。  撮影した大熊町の久麻川保管場も黒い袋と緑の防水シートが目立ち、かつて水田だった風景を想像するのは容易ではない。  搬入量(11日時点)は1050万8000立方メートルに達し、帰還困難区域を除く全体の75%ほど進行した計算だ。「保管場内のフレコンも減り始めた」と話すのは環境省福島地方環境事務所の担当者。搬出作業がピークを過ぎ、施設も整ったことなどが理由だという。  来春までに搬入を終える計画は順調に進むが、本格復旧の道筋は見えない。国は2045年3月までに施設の保管土などを県外に運び出すと約束している。引受先の自治体は見つかっておらず「このまま置かれてしまうのではないか」と住民たちの不安は続く。 (写真部・庄子徳通、岩野一英)
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 復興が進み生まれた新たな風景。それは被災地の人々にどのように記憶されていくのだろう。未来に向かう、そのかたちを空から眺める。
 

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