【ニュース】秀句の泉
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(754)白菜を括りし紐の解けがち/染谷秀雄(1943年~)
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(753)阿弖流為(あてるい)をここに呼びたき薬喰(くすりぐい)/茨木和生(1939年~)
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(752)今、君は帆船冬の大三角/坪内稔典(1944年~)
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(751)骨壺の熱抱けど手の悴(かじか)めり/佐野瑞季(1997年~)
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(750)バス降りる園児多彩の防寒具/秋沢猛(1906~1988年)
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(749)手鏡の むらさき濃ゆく時雨けり/富澤赤黄男(1902~1962年)
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(748)胸糞をどこに捨てよか枯葎/中原道夫(1951年~)
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(747)霜柱覗(のぞ)き分け入りてもみたし/正木ゆう子(1952年~)
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(746)詩の如くホットカーペットに座る/桑原三郎(1933年~)
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(745)葱を抜く地の冷えほつと空へ抜け/杉山久子(1966年~)
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(744)病棟は海鳴りのなか神の留守/櫂未知子(1960年~)
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(743)カーブミラーの日差しまっすぐ冬に入る/岸本マチ子(1934~2023年)
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(742)冬日差しごと体折り屈伸す/千倉由穂(1991年~)
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(741)牡丹粗朶(そだ)焚く梟(ふくろう)に見守られ/中根美保(1953年~)
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(740)青年へ愛なき冬木日曇る/佐藤鬼房(1919~2002年)
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(739)白息をもつと大きく吐く工夫/小林貴子(1959年~)
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(738)よぎるものなきはつふゆの絵一枚/生駒大祐(1987年~)
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(737)ガラス窓壊れてしまふよい天気/富澤赤黄男(1902~1962年)
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(736)冬館脳髄に似た瑪瑙かな/鈴木萌晏(2002年~)
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(735)拾ひたる椎(しい)の実のある読書かな/千葉皓史(1947年~)