【ニュース】秀句の泉
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(847)舐(な)めてゐる飴(あめ)が化石に春の夢/吉沢美香(1999年~)
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(846)やがてわが真中を通る雪解川/正木ゆう子(1952年~)
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(845)沢やがて名のある川へ雪間草/小泉展子(1946年~)
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(844)春月の家おぢいさんおばあさん/黒田杏子(1938~2023年)
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(843)朝寝して不思議な夢を出入りする/山田佳乃(1965年~)
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(842)翼なきものへ焼野の朝が来る/佐々木啄実(2004年~)
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(841)故郷(ふるさと)の春夕焼は弔旗なり/土見敬志郎(1935年~)
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(840)余寒なほ不覚に踏外せし一段/山本つぼみ(1932年~)
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(839)指に砂糖燕まつすぐ沈みゆく/野城知里(2002年~)
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(838)折鶴のごとくたためる牡丹(ぼたん)の芽/山口青邨(1892~1988年)
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(837)風花や足湯に妻をおきざりに/小菅白藤(1930年~)
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(836)草餅の黄粉溢れる書道室/桜井優月(2005年~)
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(835)春風の重い扉だ/住宅顕信(1961~1987年)
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(834)雛の灯を消せば近づく雪嶺かな/本宮哲郎(1930~2013年)
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(833)野火を見るわがたてがみの白交り/世古諏訪(1928~2021年)
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(832)新聞が新聞紙となる春の夜/宇多喜代子(1935年~)
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(831)春宵のきんいろの鳥瞳に棲める/富澤赤黄男(1902~1962年)
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(830)梅ちるやとうんとうんと晝(ひる)の波/高橋睦郎(1937年~)
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(829)竜天に登るを黄河追ひゆけり/松崎鉄之介(1918~2014年)
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(828)何処にでも行ける切手を買うて春/大島雄作(1952年~)