東日本大震災10年  空から見た復興のかたち

太平洋を望む砂浜の一角に現れたコンクリートの塊。空から見ると鍵穴のようなユニークな形がひときわ目立つ。  福島県新地町を流れる埒(らち)川と三滝川の合流地点に築かれた河川堤防。高さ7.2メートル、半径は約120メートルに及ぶ。高潮や波浪に対する防護策として2016年に完成した。  もともと合流場所を囲むように建っていた高さ3メートルの堤防が、東日本大震災で被災し、強化する形で造り直した。福島県土木部河川整備課の芳賀英幸主幹兼副課長(52)は「建設資材も少なくて済み、上を走る管理車両も通りやすい」と曲線の利点を解説する。  ここは海水が逆流することもあり、川水が滞留しやすい場所。そのため、普段は水門を閉めポンプで川水を排出している。25年間排水機場で作業する内藤和夫さん(66)は「震災前は、いつ波が堤防を越えてくるか心配だったが、今は頑丈になって安心だ」と巨大な堤防を見上げていた。(写真部・庄子徳通、岩野一英)
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 復興が進み生まれた新たな風景。それは被災地の人々にどのように記憶されていくのだろう。未来に向かう、そのかたちを空から眺める。
 

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