酒蔵の蔵付き酵母 みそやしょうゆに活用

蔵付き酵母を分離し、酵母ごとに分ける渡辺上席研究員=2016年8月23日、秋田県総合食品研究センター

 秋田県総合食品研究センター(秋田市)は本年度、蔵付き酵母の培養研究を始めた。同センターは県内の酒蔵と協力して蔵付き酵母を用いた純米酒を2014年に造っており、その技術をみそやしょうゆの新商品開発に生かす。19年までに県内の醸造企業約30社の参加と、10品程度の商品化を目指す。

 酵母には発酵を促す主発酵酵母と、香りを生む後熟酵母の2種類があり、蔵ごとに特徴が異なる。その違いを蔵独自のブランドとして商品化させたい考え。

 現在、12社が協力。同センターの研究員が、蔵付き酵母のうち、木おけの隙間などに生息する酵母を採取し、組織ごとに分離させて2~7日培養。培養された酵母は企業の要望に応じて提供したり、マイナス80度で冷凍保存したりする。

 企業が独自に酵母の培養、保存をするのは難しく、協力企業からは好評という。中には「使っていない木おけから、昔ながらの酵母を採取してほしい」という依頼もあった。

 酵母は発酵を促す力が強く、玄米こうじみそや減塩みそなどへの活用も期待される。ただ、みそやしょうゆは1年以上の醸造期間が必要で、商品開発には時間がかかりそうだ。

 同センターの渡辺隆幸上席研究員(53)は「新商品の開発に成功する企業が出れば、他の企業も挑戦してくれるはず。酵母を蔵の財産として生かしてほしい」と話す。

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