◎「以前と違う」放置禁物/加齢・老年病科科長荒井啓行教授
2015年の日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性86.99歳となりました。65歳以上の高齢者が全人口に占める割合、すなわち高齢化率は27%を超え、世界一の超高齢社会を形成しています。人生90年時代も間近と思われます。一方、長寿を達成したが故の新たな健康問題も無視できなくなってきました。その一つが認知症です。
<65歳以上の15%>
認知症は、判断や社会適応能力を喪失することにより高齢者の自立を困難にする代表的な疾患です。最新の研究では65歳以上の高齢者の約15%、総数にして約500万人が認知症と言われ、その多くはアルツハイマー病です。
アルツハイマー病は物忘れから始まる認知症ですが、物忘れイコール認知症ではありません。認知症とは認知機能の低下によって生活障害を起こした状態を指します。この「認知機能」の一つとして記憶に関わる機能があり、この低下が一般には物忘れと言われています。しかし、知っているはずの人の名前や漢字が一時的に思い出せない「想起困難」は、記憶障害とは区別されます。
記憶機能には大きく3種類あります。個人の固有の体験に関わる記憶、例えば「昨日テレビで見たニュース」「昨日の夕食で作ったもの」などをエピソード記憶と言います。また、1年は365日など学習によって得てきた知識やモノと言葉の対応関係を意味記憶と呼び、自転車に乗ったり車を運転したりして体得したものを手続き記憶と言います。
アルツハイマー病ではエピソード記憶の障害で発症することが多いので、家族は「5分前のことを忘れる。同じことを何度も聞く。しまい忘れ、捜し物が多くなった」などで気が付きます。社会参加・ボランティア活動などは脳への良い刺激となり、脳機能の維持につながります。
<運動習慣が大切>
糖尿病はアルツハイマー病のリスクを、中年期からの血圧のコントロール不良は血管性認知症の危険性をそれぞれ高めます。これらの生活習慣病や肥満、喫煙習慣を放置しないことが大切です。逆に、習慣的運動は認知症の危険度を下げることも分かってきました。1日に5000歩、週5回程度の運動習慣を身に付けましょう。
「以前と違う、おかしい」と感じたらそのままにしておかないことです。薬剤による認知機能障害であることもあります。まずはかかりつけ医の先生にご相談ください。
アルツハイマー病の兆候と症状については、アメリカのアルツハイマー協会がまとめた「注意すべき10のポイント」が参考になります。URLはhttp://www.alz.org/asian/signs/10_warning_signs.asp?nL=JA&dL=JA
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