◎大腸がんの兆候要注意/胃腸外科科長内藤剛特命教授
近年、食生活の欧米化に伴い急速に増えてきたのが大腸がんです。厚生労働省発表の2015年の「人口動態統計の概況」によると、大腸がん(直腸がん、結腸がん)による年間の死亡者数は4万9000人を超え、中でも女性ではがんによる死亡の第1位が大腸がんとなっています。
<初期は自覚なし>
大腸がんは初期において、ほとんど自覚症状がありません。肛門から近い直腸がんの場合は、比較的早い段階で排便時に血液が混じるなどの症状を呈することもありますが、肛門から離れた上行結腸がんや盲腸がんの場合は、かなり進行するまで無症状であることが多いです。ですから、検診や人間ドックで偶然発見されるケースが少なくありません。
最近ではマスコミなどによる情報が増えてきたことにより、便に血液が混じったら大腸がんの可能性があるということは多くの方が分かってきたと思います。しかし、便秘や下痢はあまり重要視されない傾向が見られます。
私たちが普段診察していて、「実はしばらく前から時々便秘と下痢を繰り返していた」と話す大腸がんの患者さんが結構いらっしゃいます。「便秘と下痢を繰り返す」症状のことを「交代性便通異常」と言いますが、ストレスからくる過敏性腸症候群でも同様の症状が出ることから、患者さんの大半はあまり気にされていないようです。
交代性便通異常は、がんにより大腸の通過が悪くなることから便がなかなか出なくなる便秘様の症状と、腸の中に水分が多く出て便を軟らかくして出そうとすることで下痢様の症状を繰り返すために起こります。
普段便秘気味の方は、大腸がんでなくても時々経験する症状なので、このことがあまり気に留めない大きな原因にもなっています。他にもがんが肛門に近い場所にある場合は、便が細くなる「便柱狭小」が起こることもあります。また便秘様症状の際に、便意があるのに出ない、排便があっても量が少ないという「渋り腹」の症状を呈することも多いです。
<「内視鏡」が確実>
最も確実に分かる検査は大腸内視鏡検査です。この検査は直前に下剤を服用し、腸の中を空っぽにしてからでないと行えません。また、がんによる狭窄(きょうさく)が高度であると下剤の服用そのものが危険な場合もあります。その際の判断も専門医の診察が必要になりますので、このような症状を繰り返す場合は、早めの受診をお勧めします。
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