◎肩痛 五十肩と思っていませんか?/整形外科科長 井樋栄二教授
中高年になると肩の痛みを感じることが多くなります。「五十肩」と思って放っておくことはありませんか。五十肩というのは古くから使われている俗称で、江戸時代の俗語集「俚言(りげん)集覧」には「人は五十歳くらいになると肩や腕が痛くなることがあり、とくに薬を使わなくてもやがて良くなる、これを五十肩、五十腕、あるいは長命病と呼ぶ」と書いてあります。
<年取ると自然に>
当時は肩の病気のことは何も分かっておらず、診断する技術もありませんでした。ですから肩が痛ければ全て五十肩だったわけです。その俗称は今も使われ続けており、五十肩は自然に治るので心配ないと考えている人が多いように思います。
江戸時代とは違って、現在は肩のさまざまな病気が分かってきましたし、その診断技術も著しく進歩しました。中高年で肩が痛いという人のもっとも多い原因は、腱板(けんばん)断裂という病気です。
肩を包んでいる四つの筋肉の腱が合体して板のような平たい形をしているので腱板と呼びますが、この腱板が年齢とともに徐々に弱くなり、自然に切れてしまう病気です。50歳代で腱板断裂のある人は全体の10%、60歳代では6人に1人、70歳代では4人に1人、80歳代以上では3人に1人の割合で腱板断裂がみられます。
しかし、そのうち肩の痛みを感じている人はおよそ3分の1の人で、残る3分の2の人は症状がありません。もちろん症状がなければそのままでいいのですが、痛みが出たときにはまず腱板断裂を疑ってみる必要があります。
腱板断裂があると痛みのほかに、断裂が大きくなると筋力が弱くなり、日常生活動作に支障を感じるようになります。また、夜の痛みが強いと寝不足になり、日常生活の気力もうせてきます。
<保存療法や手術>
腱板断裂の治療は、まず保存療法といって飲み薬、貼り薬、注射薬を使ったり、リハビリテーションを行ったりします。これで多くの場合は痛みが取れます。しかし、断裂はそのまま残っていますので、痛みの再発や断裂拡大による機能障害の恐れが残ります。
保存療法でも痛みが取れない人やいったん取れてもまた痛みが出てくる人は、徐々に肩の機能が低下してきますので、あまり悪くなる前に手術することをお勧めします。手術では切れた腱板を元の骨に止めることで断裂の穴をふさぎます(腱板修復術)。肩に痛みを感じたら五十肩と思って放っておくのではなく、まず整形外科を受診してください。
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