◎判別困難迷ったら受診/皮膚科科長相場節也教授
超高齢化社会の到来とともに、皮膚がんも確実に増加しています。皮膚がんは多くのがんと同様、早期発見、早期治療により根治できますが、現実には皮膚がんが原因で命を奪われる方がいます。
<公的検診はなし>
その理由として、皮膚がんには内臓のがんと異なり公的検診制度がなく、人間ドックでも皮膚がん検診は行っていないことなどが考えられます。つまり皮膚がんの早期発見は、完全に個人任せとなっています。
しかし、まったく医学教育を受けていない一般の方が、早期の皮膚がんと湿疹や加齢に伴う皮膚変化を区別することは容易ではありません。もしも気になるほくろやしみ、できものを見つけたら、まずは皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。
代表的な皮膚がんには日光角化症、ボーエン病、扁平(へんぺい)上皮がん、基底細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)、乳房外パジェット病、悪性リンパ腫の七つがあります。いずれも中年以降に出てきます。この中で特に注意が必要なのは悪性黒色腫、扁平上皮がん、基底細胞がん、乳房外パジェット病です。
俗に「ほくろのがん」と言われる悪性黒色腫は色素を作る細胞のがんで、全身どこにでもできます。日本人の場合は足底の黒いしみやいぼ、爪の黒い線として発症するケースが多くみられます。
扁平上皮がんも全身どこにでも発生しますが、顔や手の甲など日光に当たる所によくできます。徐々に大きくなっていくいぼとして気が付くことが多い皮膚がんです。基底細胞がんは主に顔にできる黒いいぼで、少しずつ大きくなって時に中央が潰瘍化します。
一方、乳房外パジェット病は、男女とも外陰部に生じ、しばしば湿疹やカンジダ症などと間違われる平らな赤い斑点が症状です。
<化学療法選択も>
いずれの皮膚がんも治療の第一選択肢は外科的切除ですが、ごく早期の扁平上皮がんである日光角化症では外用薬のイミキモッドクリームで治療が可能です。また手術不能な悪性黒色腫では、がん細胞だけを攻撃する分子標的薬、がんによってブレーキのかかった免疫の働きを再び活性化させる免疫チェックポイント阻害薬などを用いた治療が可能になっています。
当科のモットーは、皮膚がんの正確な診断とそれに基づく適切な治療です。特に進行した皮膚がんには、大学病院の特徴を生かした集学的治療を行っています。東北大病院は東北における皮膚がんの拠点病院で、新薬の臨床試験などにも積極的に参加し、医学の進歩を患者の皆さんに還元するよう努めています。
「健康講座」では、宮城県内各医師会の講演会や河北新報社「元気!健康!地域セミナー」での講座内容を採録し、最新の医療事情と病気予防対策を分かりやすく伝えていきます。リレーエッセー「医進伝心」もあります。
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