形成異常となる疾患も/小児歯科科長 福本敏教授
子どもは小学校に入学する前後に、乳歯から永久歯へと歯が生え替わります。通常、永久歯は少し黄色みがかった白く透明感のある歯が生えてきます。生えた歯は日常の飲食物の色素の沈着により、歯が着色することがありますが、歯が生えてきた時から変色している場合があります。
<全身的な要因>
飲食物による着色については、お茶やコーヒーなどを飲んでいる場合に、表面全体に薄く色が付く場合があります。歯ブラシでこすっても、なかなか着色を除去することができませんので、歯科医院で磨いてもらうことで、きれいにすることができます。この着色自体が大きな問題を起こすことはありません。またタバコのヤニも、歯の着色を生じさせます。
歯が生えてきた時から、変色している場合があります。全ての歯が変色している場合は、エナメル質形成不全症や象牙質形成不全症といった、もともと歯の形成に異常をきたす疾患の場合もあります。また歯の形成されている時期に、テトラサイクリンなどの抗菌薬を服用した場合、薬剤の色素による歯全体の着色を生じることがあります。全ての歯が変色している場合には、全身的な要因が考えられますので、歯科医院での受診をお勧めします。
<定期的受診を>
全ての歯ではなく、一部の歯において部分的に歯が変色している場合もあります。例えば乳歯の時に前歯をぶつけていた場合に、その影響でその下の永久歯の一部が十分形成されずに、部分的に白濁したり黄色みがかった歯が生えてくることがあります。また、乳歯の虫歯が大きくて、歯の根の先まで広がってしまった場合、同じような歯が生えてくることがあります。いずれも永久歯ができている時のダメージによるものなので、乳歯の時から適切に対応する必要があります。
最近、永久歯の前歯と第一大臼歯(6歳臼歯)に限局して、歯の形成がうまくできずに変色した歯が生えてくることがあります。これをMIHと呼んでいます。小学生対象の調査では、全体の10~20%程度の子どもたちに認められると報告されており、決して珍しいものではありません。虫歯になりやすいこともありますので、歯科医院で定期的に診てもらうことが必要です。まだ原因は不明ですが、これらの歯の形成時期である出生後から2歳ぐらいまでの歯の形成過程において何らかの異常が生じているのではないかと考えられています。歯の形成にはカルシウムやリンなどの摂取が大切ですし、骨や歯の形成にはビタミンDなども重要です。したがってバランスの取れたお食事や、ビタミンDの合成に必要な適度な日光浴なども、母子ともに必要と考えられています。
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