◎東北大病院神経内科科長 青木正志教授
ある日突然、体の片側の手足(例えば右の手足)に力が入らなくなったら、あるいはうまく言葉がしゃべれなく、ろれつが回らなくなったらどうしますか? これは脳血管障害(脳卒中)といって脳の血管が詰まったり、破けたりした可能性がありますので、急いで救急車を呼んで病院で受診してください。脳卒中はできるだけ早く治療を開始した方が、回復が早いことが分かっています。
<糖尿病も原因に>
その一方で、時間をかけて徐々に手や足の力が入らなくなった場合はどうでしょうか? これはいろいろな病気の可能性があります。このいろいろな病気を的確に診断するのは私たち神経内科医(最近では脳神経内科と呼ばれるようになりました)の役割です。
脳あるいは脊髄(せきずい)という背中を通る太い神経の束の障害によるもの、脊髄から手足の先まで伸びている末梢(まっしょう)神経や筋肉の病気の場合もあります。一般に筋肉の病気では肩から二の腕や腰回りから太ももにかけての筋肉(体の中心に近い筋肉)がやせて、力が入りにくくなります。物を持ち上げられない、あるいは立ち上がることが大変になります。それに対して神経の病気では手足の先の筋肉(体の中心から遠い筋肉)がやせて、手やつま先に力が入りにくくなります。大人の筋肉の病気の代表は多発筋炎という膠原(こうげん)病の仲間です。神経の病気は脳、脊髄、末梢神経の障害があります。脊髄の障害ではけがや加齢によって首や腰の骨が変形して脊髄を圧迫することがよくあります。また、糖尿病をそのままにしておくと糖尿病による神経障害で足がしびれるなどの症状が出て糖尿病による末梢神経障害(糖尿病性ニューロパチー)と呼ばれます。
<打腱器使い確認>
このように神経は頭から手足の先まで長い距離があります。X線コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)などの画像検査を行う前にどこに病気があるかの診断を行うことが大切です。そのためにはまずは丁寧に病歴を聞きます。
次に打腱器(だけんき)という筋肉の腱をたたく診察道具を使って、反射を確認することによってどこの神経あるいは筋肉に病気があるかの確認をします。この打腱器を私たちはハンマーと呼んでいます。ビタミン不足によって起こる脚気(かっけ)の検査として膝の下をたたく検査が有名ですが、それを全身で確認します。手足に力が入らない、あるいは筋肉がやせてきたといった症状があった場合は近くの神経内科の先生に相談してください。
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