◎東北大学病院漢方内科 高山真特命教授
夜も部屋が明るい、スマートフォンの見過ぎで夜遅くまで目に光が入る、体が火照る、気持ちが落ち着かない、などさまざまな条件で睡眠が妨げられます。眠れなくなると翌日はさらに疲れが残り、疲れたまま仕事を頑張るとさらに疲れ過ぎて眠れない悪循環に陥ることもあります。睡眠導入剤で睡眠のサイクルをリセットし、ゆっくり休むのも一つの方法ですが、頼りっきりになるのも心配です。
<陰陽のバランス>
漢方的な見方に陰陽のバランスという概念があります。朝に日が上がり、日中は日光が強く(陽)、夕方に日が沈むと暗くなり夜は寝る時間(陰)となります。日中はしっかり光を浴びて体温を上げ、夜は光を避けて脳と体の興奮を抑えて若干体温が下がるという陰陽のバランスをとることで、睡眠に入りやすくなり睡眠が持続できることになります。また、光だけではなく、過剰なストレスや興奮は体に熱をこもらせるため夜になってもイライラし、興奮して眠りにくいという状態になります。疲れ過ぎて消耗しても、心の栄養不足から不安や不眠になります。
漢方薬では、自律神経や脳の興奮を抑えることを考えて、寝る前に抑肝散(よくかんさん)や黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などの漢方薬を使用し、心の熱を下げて眠りを誘います。
いったん寝てからもすぐに起きてしまう場合は、心の栄養が不足して不安定な状態と考えます。そこで、心の栄養を補う帰脾湯(きひとう)や加味帰脾湯(かみきひとう)を内服することで栄養が充足され、しっかり眠れるようになります。これらの漢方薬には滋養に使用するナツメの実などに近い成分が含まれています。
<スマホは控えて>
夢が多く、眠りが浅い方も心のエネルギーが不安定な状態にあります。気持ちが落ち着かなく夢が多い場合には、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、気持ちが落ち込んで不安が強く夢が多い場合には、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)といった竜骨(哺乳類の化石)・牡蛎(かき)(牡蠣(かき)の殻)が入った漢方薬で、心のエネルギーをコントロールしてバランスを取ります。
これらの眠りのサイクルや質を調整する漢方薬は依存性が少ないため使いやすく、眠れるようになると自然と欲しなくなります。
日中はしっかり光を浴び、夜は部屋を暗くしてスマートフォンなどは控え、心を休ませてあげましょう。それでもなかなか眠れないときには、漢方薬を試してみるのも一つの方法です。
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