◎東北大病院てんかん科副科長 神一敬准教授
突然、ぼーっとなり、呼び掛けても応答がない状態が30秒~2分ほど続く発作を繰り返している場合、てんかんの可能性が疑われます。患者本人はその間のことを全く覚えていません。てんかんというと、白眼をむいて口から泡を吹く全身けいれん発作を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、最もよく見られるのはこの症状です。
また、吐き気がする、チカチカしたものが見える、手がピクっとなるなど、意識がはっきりしている発作もあります。患者によって、発作の時に見られる症状はいろいろで、けいれんのない発作、意識を失わない発作もあります。
<落ち着き見守る>
「てんかん発作を起こしている人に遭遇したら、何をしたらよいのでしょうか?」という質問をよく受けます。この質問に対する正しい答えは「何も特別なことはしなくてよい」です。発作を起こしている人がケガをすることのないように、気を付けてあげるだけで十分です。ケガにつながるような固いもの、とがったもの、熱いものが近くにあるようなら、離れた場所に動かしましょう。間違っても、全身けいれんを起こしている人の口の中に、タオルなど物を入れてはいけません。嘔吐(おうと)や誤嚥(ごえん)の原因となるのでかえって危険です。全身けいれん発作であっても、それ以外の発作であっても、いつもの発作であれば自然に治まりますので、落ち着いて見守りましょう。万が一、全身けいれんが5分以上続くような大きな発作の場合は救急車を呼ぶ必要があるだけです。
てんかんは、脳神経細胞が過剰に興奮してしまうことにより起きる発作を繰り返す脳の病気です。てんかんに関して、よく誤解されている三つのことをご紹介します。
<薬で発作を抑制>
(1)てんかんは、珍しい病気ではありません。約100人に1人の割合で発症することが知られており、日本に約100万人の患者がいます。
(2)てんかんは、難しい病気ではありません。約7割以上の患者は薬を飲めば発作が起きなくなります。発作さえ起きなければ、全く元通りの生活を送ることができます。
(3)てんかんは、子どもだけの病気ではありません。あらゆる年齢で発症する可能性があります。最も発病率が高いのは子どもではなく、高齢者です。高齢者に見られるてんかん発作の約半数は、ぼーっとなる発作です。物忘れに気付いて、その原因がてんかんであると分かる場合もあります。この場合、物忘れが薬で良くなります。
気になる症状がある場合、てんかんと似た症状の別な病気もありますし、てんかんの原因を明らかにすることが重要です。まずはお近くの小児神経科、脳神経内科、脳神経外科を受診してください。
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